地方の人口流出に仕事「以外」の隠れた本質理由 人口流出、都市部からUターン減にファクターX
調査では次のステップとして、「地域の寛容性を測る指標」を用意した。
例えば【女性の生き方】としては、「女性は家庭や子育てを最優先するべきだと考える人が多い」といった保守的な考え方と「古い考え方に縛られないで自由に生きている女性が多い」といったリベラルな考え方を4つずつ提示し、当てはまる度合いを4段階で評価してもらう。
【女性の生き方】のほか、【家族のあり方】、【若者への信頼】、【少数派の包摂】、【個人主義】、【変化の受容】の6つの項目について「在住者」に調査した。
結果は6つの項目で類似した傾向があり、例えば【家族のあり方】で見ると「親戚関係には何かと気を使わなければいけない」といった保守的な人が多い地域性と感じ、特に女性ほどそれを強く感じている。逆に「子どもの人生にあまり干渉しない親が多い」といったリベラルな人は保守的な人に比べると少なく、特に女性が少ない地域性だと感じている。
47都道府県寛容性ランキング
この結果を指標化した都道府県別の「寛容性の高さ」の順位を見ると、上位は東京圏が顔を並べる結果となった。
1位:東京都(総合偏差値77.2)
2位:神奈川県(総合偏差値73.2)
3位:⼤阪府(総合偏差値69.5)
4位:千葉県(総合偏差値67.7)
5位:埼⽟県(総合偏差65.4)
…
43位:青森県(総合偏差値40.2)
44位:山形県(総合偏差値39.8)
45位:富山県(総合偏差値38.8)
46位:秋田県(総合偏差値36.3)
47位:島根県(総合偏差値36.1)
また地⽅圏では、⼈⼝100万⼈以上の⼤都市を擁する道府県が上位を占める形となった。上位下位の顔ぶれを見ると人口規模と関係性が深いように見えるが、途中の順位を見ると沖縄県が9位、高知県が12位に上がり、新潟県が38位になるなど、必ずしも人口規模では説明がつかないものも見られる。
一方、「在住者」が感じる「地域の寛容性」は、「地方出身者」の「Uターン意向」と強い相関関係があり、「在住者」の「離脱意向」とは緩い逆相関があるという。つまり、ファクターXの正体は「地域の寛容性」だと考えられるのだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら