勉強以外で利用も「小中1人1台PC」トラブルの実態 GIGAスクール構想、保護者と教員の経験を調査

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一方、教員では学校として「ID・パスワードは自分だけが覚えておくものであり、他人に教えてはいけないことを教える」が最も多く45.3%で、次いで「成人向けや暴力、違法行為など、不適切なWebサイトを閲覧してはいけないことを教える」(43.2%)、「他人のID・パスワードを勝手に利用して、他人のアカウントにログインしてはいけないことを教える」(38.9%)となっている。端末の配備に際しては、どの学校でも何らかの教育的対策は行っているはずだが、この設問に対して15.8%の教員が「とくになし」と答えている。

安心・安全に利用するために必要なことは何か?

1人1台端末の活用を円滑に進めていくには、保護者と教員の間で安心・安全に利用できる環境を相互に確認し、共有することが不可欠だ。

そのポイントを4つ挙げたうえで、自身が理解しているものについて聞いた設問に対しては保護者(57.4%)、教員(59.8%)いずれも「児童生徒が端末を扱う際のルール(パスワードの取り扱いや使用時間等)」という回答が最も多かった。しかし反面では、端末を安心・安全に利用するために「児童生徒が端末を扱う際のルール」が必要であるということを保護者の42.6%、教員の40.2%が理解していないことになる。

またこの調査では、子どもが安心・安全に端末を利用できる環境を整えるために、自分自身に何が必要かを聞いている。これに対して保護者は「子どもとのコミュニケーション(学校が取り決めたルールや留意事項の確認・共有、家庭での持ち帰り端末の利用に関するルール作りなど)」(46.2%)、「学校の管理内容や運用ルールに関する理解」(41.8%)、「一般的なネットリテラシーや情報モラルに関する理解」(37.7%)という回答が多かった。

一方、教員は「GIGAスクール構想の目的や内容についての理解」(47.4%)、「学校の管理内容や運用ルールに関する理解」(47.4%)、「一般的なネットリテラシーや情報モラルに関する理解」(45.9%)だった。

ちなみにこの設問に対して教員の17.2%は「とくになし」と答えている。自分自身に必要なことが何もないというのは、もうすべて完璧にこなしているのか、関心がないのか、気になるところだ。安心・安全に子どもたちが端末を利用できる環境は、すべての基盤になる。子どもたち自身はもちろん、保護者、教員も関心を持って徐々にリテラシーを高めていきたいところだ。

(文:崎谷武彦、注記のない写真はiStock)

制作:東洋経済education × ICT編集チーム

東洋経済education × ICT

小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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