コロナ感染した医師が感じた「医療ひっ迫」の恐怖 他人事では済まされない自宅療養
「“公共の交通機関を使ってはいけない、タクシーもダメ。徒歩で来るように”と指示されました。隣接する区とはいえ体調不良の中、数kmの道のりを歩くのは相当しんどい。独身なので車で送ってくれるパートナーもいなくて、途方に暮れてしまいました……。そこで両親に相談したら、車で医療機関まで送ってくれることに。紹介された医療機関に到着して、受付をしようとしたところ“本日は混み合っているから診察は受けられない”と門前払いされてしまいました」
数日経っても療養先がなかなか決まらず
東京都発熱相談センター経由で紹介された旨を伝えても“どちらにせよ本日中の診療はできない”と断られた。
「そのかわり『ひまわり』という別の医療機関検索サービスを紹介されました。再び途方に暮れてしまいましたが、“まずはコロナかどうかは調べたほうがいい”と思い、友人の医師がやっている内科のクリニックでPCR検査を受けました。帰宅後に結果が出て、陽性ということが判明しました」
23日の夜、保健所から“しばらくは自宅療養かホテル待機になるので、今後もこちらからの連絡を待つように”という連絡が入った。
「24日、25日も1日に2、3回保健所から連絡があり、体調と熱について尋ねられました。ですが、熱が上がったり下がったりを繰り返していたため、保健所の指示は二転三転……。“入院で調整します”“ホテル療養で考えています”と療養先がなかなか決まりませんでした。ただ、入院にせよホテル療養にせよどちらも混み合っているから、入れるとしても27日以降になるとも告げられました」
だが26日の午前中に保健所から連絡が来て、
「熱が比較的落ち着いてきていることを伝えたら、最終的にホテル療養になることが伝えられました。同日の夕方過ぎに“27日からアパホテルで療養になる”と伝えられ、最終的な療養先が決まりました。その後、保健所から最終的な確認があり、昼頃には送迎の車が自宅前まで来てくれて、アパホテルに移動となりました」
コロナ罹患から療養先の決定までを体験したSidowさんが感じたことは?
「東京都発熱相談センターに紹介してもらった医療機関から別の医療機関検索サービスを紹介されて……本末転倒な対応も。せめて受診前に混雑状況が確認できたり、必ず診察してもらえる施設がわかったりしたら助かると感じました。医療機関のほか、療養先となるホテルとの連携も十分ではないと感じました」
症状に関しては、
「コロナウイルスに罹患したこと自体が初めてであったため、正直なところワクチンを打たずに罹患したらどの程度症状が重くなっていたかは想像できません。
ただ40度近い発熱は十分つらかったですが、咳や咽頭痛や嗅覚味覚の低下などほかの症状は目立たなかった。もしかしたらその辺りはワクチンのおかげで比較的軽度で済んでいたのかもしれません」
ワクチンを2回接種したあとも、コロナを甘くみてはいけないのだ──。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら