マツダがエンジン残しつつ「電動化」狙う納得の訳 ファン垂涎の水素ロータリーにも再び火が入った
特に水素については、2006年に水素ロータリーエンジンを搭載する「RX-8 ハイドロジェンRE」を少数ながらリース販売するなど実績がある。当然、今後の水素燃料戦略においては、ここで培われたリソースを活かしていくと考えていいのか。筆者の質問に、登壇した研究開発・コスト革新統括の廣瀬一郎専務執行役員はこう答えた。
「ご存じの通り、マツダは過去に水素ロータリーを手掛けていましたが、技術はいったん棚入れいたしました。ですがここに来て、カーボンニュートラルへの動きが活発化してきて、水素インフラ整備も活動が活発化してくる予感がしています。ヨーロッパでも水素は注目度を高めていますし。そこで過去の水素技術をベースにビルディングブロック戦略の中に、モデルベース開発、モデルベース研究などを重ねて過去の資産をうまく活用していく機会を探りたいと考えています。」
RX-8ハイドロジェンREは、水素ロータリーエンジンで車輪を直接駆動していた。しかしながら今回の水素活用は、少なくとも今のところ、こんなふうに先に記したロータリーエンジンを発電機として使うプラグインハイブリッドなどに、水素燃料への対応が盛り込まれていく形となりそうだ。
水素ロータリーのプラグインハイブリッドが実現したら
「そのためにも早く世にロータリー活用の電動化を出していきたいと考えています。形としては、これを使ってマルチフューエル対応での発展を考えていきたいです。」
こんな具合で詳細な商品化の形にまで言及があった。もし水素ロータリーエンジンを発電機、あるいは速度や走行状態によっては直接駆動にも用いるプラグインハイブリッドが実現したならば、それはCO2をほとんど排出せず、静かで滑らかで、かつ長距離走行も苦にしないクルマが出来上がることになる。
マルチフューエル対応ということで、インフラの都合などにより水素充填が叶わない時にはガソリンでも走行できるとなれば、実用性も十分以上に高い。個人的には、過給ユニット化するなど進化した水素ロータリーで直接駆動するスポーツモデルなども観てみたいという思いもあったが……。
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