マツダがエンジン残しつつ「電動化」狙う納得の訳 ファン垂涎の水素ロータリーにも再び火が入った

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2012年に投入されたスカイアクティブ テクノロジーのフェイズ1は、まさに内燃エンジンの進化で高効率化を追求した。高圧縮ガソリンエンジンのSKYACTIV-G、低圧縮クリーンディーゼルエンジンのSKYACTIV-Dなどが、それに当たる。

そして2018年にスカイアクティブ テクノロジーはフェイズ2へ。プラットフォームはいよいよマルチソリューション対応となり、スモールアーキテクチャーは上記2種類にSKYACTIV-Xを加えた内燃エンジンのほかに24V電装系のマイルドハイブリッド、BEV、そして2022年投入予定のロータリーエンジンを発電機として使ったプラグインハイブリッドという幅広いパワートレインの搭載が可能なものとなった。

それに加えて、近く投入予定なのがエンジン縦置き、主に後輪駆動というレイアウトを採るラージアーキテクチャーである。こちらには6気筒版も含む内燃エンジン3種類、48V電装系を使ったマイルドハイブリッド、そしてプラグインハイブリッドが設定される計画だ。

それぞれがどのアーキテクチャーを使うかという内訳こそ示されなかったが、2025年までにハイブリッドが5車種、プラグインハイブリッドが5車種、BEVが3車種、それぞれ投入される予定だという。ただし、ここにはトヨタより供給されるハイブリッド車も含まれる。

BEVへ向かうがフェイズ2も終了しない

そのあと2025年からがスカイアクティブ フェイズ3で、トピックとしてBEV専用のスケーラブルアーキテクチャーが用意される。これにはトヨタ、デンソーとの合弁会社として2017年に設立されたEV C.A. Spiritで開発されたBEVの技術基盤がフルに投入されることになる模様だ。

ただし、まだフェイズ2は終了したわけではない。それが水素、そしてバイオフューエル、e-フューエルの活用である。マツダはこれまで、これらの再生可能燃料、水素燃料についても、しっかり技術の積み重ねを行ってきており、さまざまな形でそれを活用できるだけの技術資産を築いていると明言する。

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