日本の高校・大学に広がる「米ミネルバ式」思考法 リクルート提供、清泉女子大は再編集して導入
ミネルバ大学が設立された当初、日本でもシンポジウムが開催されたというが、興味を持つ大学は少なかったという。実績がなく、斬新なプログラムなうえに、教育におけるICT化が進んでいなかった日本の大学には浸透しなかったのだろう。あるいは講義型の一斉授業が主体で、反転授業、ファシリテーションが基本のアクティブラーニングができる先生がいなかったということもあるかもしれない。
「これからは日本の大学も、大学改革で単にハーバードやスタンフォードを見習うばかりで本当にいいのかどうか。考え直すべき」と警鐘を鳴らす山本秀樹氏は、米名門大学がどこを見て大学改革をしているのか、もっと本質を見るべきだという。
「日本の大学でもICT教育を活用すれば、もっと独自にできることがあるはずです。データという事実に基づいて教え方を変えていく。それは難しいことではありません。今は世界の大学が採用する教育に最適化されたデファクトスタンダードのソフトウェアを使えば、技術的にもハードルはありません。ミネルバがなぜ注目を集めるのか。とくに大学の経営者や職員スタッフは、これから新たな発想が必要になっていくでしょう」
ミネルバ大学が実践するエビデンスのある効果的な教育手法の実現には、さまざまなやり方があるということだろう。本場のプラットフォームを使うもよし、広く使われている汎用的なツールを使うもよし。重要なのは、子どもたちが自分の望む人生を送る土台をつくるのにミネルバ式は有効だということ。社会に出て本当に必要なスキルをどう身に付けさせるのか、教育関係者は改めて真剣に向き合う必要がありそうだ。
(注記のない写真はヒトラボ提供)
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制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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