米ではコロナ対策の最前線に雇用主が立たされる ワクチン接種完了者“マスクの着用不要"の結末

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米国では、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で在宅勤務を続けてきた多くの従業員がオフィスに復帰しつつある。そうした中、大きく様変わりしたことの1つがパンデミック対応での指示の出どころで、雇用主が中心的役割を担うことになる。

ワクチン接種完了者はマスクの着用不要という米CDCの指針変更

米疾病対策センター(CDC)が13日にワクチン接種済みの人についてマスク着用と社会的距離に関する制限緩和を発表したことを受け、雇用主たちは職場での対応で急ぎ決定を迫られた。

JPモルガン・チェースとサウスウエスト航空、ウォルマートは、ワクチン接種済みの従業員はマスクを着用しなくてもよい方針を打ち出した。シティグループは引き続きマスク着用を義務付ける。M&Tバンクとスターバックスは接種済みの顧客については未着用を認めるものの、従業員には引き続き着用を求める。

マスク着用でスターバックス店舗に入る客(サンフランシスコ)

一元管理されたワクチン接種済み米国人のデータベースや雇用主が従業員の接種履歴確認に利用できるシステムが整備されていないことから、従業員にオフィス復帰を促すのは在宅を要請した際と同程度に複雑となりつつある。マスク着用義務を巡り自己申告に頼れば、公共の場で起きた辛辣(しんらつ)な状況が民間のオフィスでも起こり得る。いずれにせよ、この問題への対応という重荷は雇用主に回ってきた。

アリゾナ州立大学保健学部のマラ・アスピナル実務教授は「これはパンデミックの特筆すべき新たな状況だ。雇用主はより大きな役割を果たし始めつつあり、今後もそれを続けることになる」と語った。

ワクチン接種完了した人はマスクの着用不要-米CDCが指針変更

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