テレビ事業絶好調の東芝、2010年は“福山雅治”と“LEDの大幅拡充”で勝負

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 国内市場は3月末にエコポイント制度の変更による駆け込み需要があり、その反動はあるものの11年7月のアナログ放送停波に向け、引き続き需要増が見込まれる。

特に、家庭内でリビングなどに置く1台目のテレビは75%がデジタルに切り替わっているが、寝室などに置く2台目以降のテレビのデジタル化はまだ25%と分析しており、これら中小型を中心とする2台目以降のマーケットに向けて、LEDテレビを充実させることでさらなるシェアアップを狙う考えだ。

10年度はグローバルでの販売台数目標を1500万台と高く設定。NHK大河ドラマでますます認知度が上がっている福山雅治氏を引き続きCMに起用し、国内で攻勢をかける。海外市場は欧米市場より中国、アジアなど新興国での成長を見込んでいる。

現在、液晶パネル、LEDなど部材が逼迫しており、テレビメーカーの制約となることを懸念する声があるが、村沢事業部長は「パネル、LEDチップだけでなく一般電子部品の逼迫は事実としてある。が、東芝は先行した手配を行っており、現時点では部品の調達に問題はない」と回答した。

東芝はテレビ向け液晶パネルを外から購入する水平分業型で、日本の大手テレビメーカーとして唯一、テレビ事業で黒字を継続している。部材の逼迫を受け、同業他社からは東芝の水平分業が失速するのではという見方も出ているが、村沢事業部長の言葉通りならば東芝の快進撃はまだ続きそうだ。

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(山田 雄大)

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