「雇用に不安を感じる人」が陥る間違った発想法 生き残れない総合職と専門職、目指すは「T型」
今後目指すべきは、「一型」と「I型」の両方を併せ持った「T型人材」です。
総合力が求められるゼネラリストであっても、自分の強みを見極め、専門性を磨いていくことは極めて重要です。
「何でも屋さん」では、ただの便利屋さんで終わってしまう可能性が高く、組織のトップに立つことは難しいでしょう。
ラーメン店に例えるなら、「何でもできます」というお店より、「担々麺専門店」など、メニューを絞っているほうが成功しそうな気がしませんか?
人材も一緒です。
「営業屋さん」なのか「経理屋さん」なのか「人事屋さん」なのか、自分は「何屋さん」なのかを明確にする。
「自分の強み=専門性」をアピールすることが、自身の市場価値を高め、出世はもちろん、転職や起業・独立で成功する近道です。
一方、専門性を持ったスペシャリストであっても、そのスキルだけで生き延びていくのは困難です。どんなにおいしい「担々麺」を作れても、それだけで成功するわけではありません。部下を持てば、マネジメント力が必要になります。独立・起業するなら、マーケティングや経理のスキルも不可欠です。お客様とのコミュニケーション力も大切です。
どんな職種においても、営業力や交渉力、計数管理、人的ネットワークなど、いわゆるマネジメント力やコミュニケーション力と呼ばれるスキルを持っていないと出世することは難しく、転職や独立・起業をしても成功は難しいでしょう。
ビジネスにおける一定の知見と高い専門性を持っている。それが「T型」と呼ばれる人材像です。
「専門性=資格」という短絡的な発想はNG
では、総合職であっても専門性を身に付けるには、どうしたらいいのでしょうか? 大切なのは、「専門性=資格」という短絡的な発想をしないことです。
「資格を取れば、将来は安泰」
雇用に不安を感じると、人はこうした発想に陥りがちですが、それはとても危険な考え方です。
例えば、人事の仕事をしながら「社会保険労務士」の資格を取得するなら、たしかにキャリアップにつながります。
けれど、営業職の人が将来に不安を感じ「社会保険労務士」の資格を取って転職しようとしても、成功する確率は限りなく低いです。