ブロンコビリー、毎月の泊まり込み合宿が外食屈指の高収益を生む《ものすごい社員教育》

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 その答えが、“効率化”を捨て、あえて手間をかけて質や楽しさを追求する店作りだった。同時に、それを支える社員教育を徹底強化。合宿研修の「経営改革委員会」だけではない。月2回、経営者を育てる「経営会議」、月1回、地域ごとに行う「早朝勉強会」に加え、年2回、選抜されたメンバーが行く「海外研修」まである。さらに、09年秋には工場内に「トレーニングセンター」を併設。調理場の従業員も、集中的に研修を受けられるようにした。

研修の効果として、竹市社長が注目しているのが、社員の定着率の改善だ。店長はどうしても孤独になり一人で悩みがち。しかし横のつながりを確認できるこの合宿研修が励みになり、安易な退職を思いとどまるようになる。03年に13・4%だった離職率(1年内に辞める社員数)は、08年に8・6%まで低下。平均勤続年数も02年には3年強だったものが、現在は5年強まで伸長した。

定着率改善は、めぐりめぐって店舗の調理やサービスの質向上にもつながった。セットで2000円前後する厚切りのステーキを、炭の遠赤外線効果で中まで火を通すには熟練の技術が必要。新人が簡単に身に付けられるものではない。また、社員のベジタブル&フルーツマイスター資格の取得を奨励。デザートを含めて毎日18品目そろうサラダバーは、多くのお客さんが来店動機に挙げるようになった。

努力をした結果が来店増につながり、それが給料にもはね返る。社員の年収は平均年齢約30歳で約500万円。同業他社と比べ高水準だ。しかも審査を経て店長に昇格すれば若くてもこの水準に達する。23歳最年少の店長は「同年代の友人と比べて、相当高い。その分頑張らないと」と表情を引き締める。社員教育強化は、好循環を始めているようだ。

■ブロンコビリーの業績予想、会社概要はこちら

(二階堂遼馬 撮影:田所千代美 =週刊東洋経済2010年4月10日号)

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