キャデラックの最高峰SUVが新型で見せる世界

じわじわ増えるプレミアム3列シートSUVの価値

また、新型サスペンションの採用による室内のフロアの低下、ホイールベースの拡大(+121mm)、そしてボディの拡大(+187mm)によって、キャビンとラゲッジ空間も大きくなっている。

パワートレインを見ると、L87型と呼ぶ最高出力426馬力/最大トルク623Nmの6.2リッターV8 OHVエンジンは先代のままだ。ただし、トランスミッションは先代の8速ATから、新型は10速ATに多段化された。燃費性能は発表されていないが、多段化したことで燃費性能の向上が期待できる。

モダンなデザインに最新のインフォテイメント技術を備え、室内を拡大し、走行性能と快適性を高めたというのが新型エスカレードの進化の全容だ。現在、手に入るトップクラスの大型プレミアムSUVにふさわしい内容といえるだろう。

3列シートSUVが増えている理由

エスカレードの特徴は、プレミアムなSUVでありながら、3列シートを備えていることだ。つまり、見方を変えれば、日本でいうミニバンのように多人数を運ぶクルマという側面も持っている。実は今、大きく豪華な3列シートのSUVが、少しずつ注目を集めるようになってきているのだ。

日本での先駆けとなったのが、マツダ「CX-8」だ。2017年暮れに登場したCX-8は、国内の3列シートSUVとして2018年、2019年と販売1位を獲得している。

マツダ「CX-8」(写真:マツダ)

ライバルがレクサス「LX」、トヨタ「ランドクルーザー」、三菱「アウトランダー」、日産「エクストレイル」という、やや古いメンツしかいないという前提であったとしても、それでも立派な結果だといえるだろう。

また、メルセデス・ベンツからは2019年6月に新型「GLE」、2020年3月に新型「GLS」、同年6月にブランニューモデルの「GLB」が発売された。メルセデス・ベンツは大中小と、3列シートのSUVを揃えたことになる。

さらにBMWも2019年6月に3列シートの大型SUVである「X7」を発売。アウディも2020年8月に3列シートの「Q7」をリリースしており、ここ数年で一気に3列シートSUVが増えた格好だ。

とはいえ、世界市場に目をやれば、3列シートの大型SUVは珍しいものではない。エスカレードは20年以上前から3列シートであるし、ボルボの最上級SUVである「XC90」も初代モデルから3列シートだ。

それ以外にも、ランドローバーには全車3列となる「ディスカバリー」のほかに、2/3列シートの両方をラインアップする「ディスカバリースポーツ」「レンジローバースポーツ」がある。プジョーの新しいSUVである「5008」も3列シートだ。

多人数乗車を考えたとき、欧米ではミニバンではなく3列シートのSUVというのが昔からの定番であったのだ。

次ページなぜ、欧米はミニバンではなく3列SUVなのか?
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