G suiteとは? 実践で使えるクラウド活用術 GIGAスクール、押さえておきたいはじめの一歩

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来年度からは、多くの小中学校でPC1人1台体制の授業が始まるが、現場で不安を感じている先生も少なくないだろう。いったい、授業はどのように変わるのか。動画教材の作成など、現場の負担はさらに増えるのではないだろうか。こうした不安に「ICT導入は魅力的な授業を簡単に実現するのはもちろん、先生方の負担を軽減する」と答えるのは、教育委員会や学校をサポートするギガサポ合同会社の貝塚 健氏だ。今回は多くの学校で導入が広がるクラウドパッケージ「G Suite for Education」を例に、現場で役立つパソコン活用術を聞いた。

まずは、校務の効率化から着手

「現場の先生方のお話を伺っていると、ExcelやWordなどの単体ソフトは使いこなしていますが、クラウドとなると一気に“よくわからないもの”となってしまう」と語るのは、GIGAスクールサポーター事業者として、教育委員会や先生方の支援を行うギガサポ合同会社の貝塚 健氏だ。これからの時代、授業づくりや先生方の校務の効率化にはクラウドが役立つという。

なぜクラウドにメリットがあるのか? これまではパソコンにインストールしたソフトを使うことが主流だったが、クラウドは、インターネット上にあるソフト(正確にはツール)を使う。小さな違いのようだがこのインターネット上にツールがある意味は大きい。共同作業といったコラボレーションがしやすく、先生と生徒との双方向のコミュニケーションが取りやすくなる。また、つねにツールは更新されており、テンプレートなども数多く準備されている。希望の資料や配布物なども時間をかけずに作成することができる。

複数ある教育向けのクラウドパッケージの中で、シェアを伸ばしている「G Suite for Education」を見ると、機能はかなり充実している。かえってそのツールの多さにひるんでしまいそうだが、それほど難しいことはない。まずは「校務の作業負荷に利用すれば、その便利さを実感できるはず」と貝塚氏は先生方にエールを送る。

校務を効率化するアイデア

では、いったい校務でどのようにG Suiteが役立つのか、まず貝塚氏は次の2つの例を挙げる。

●「スプレッドシート」を使って検温チェック
現在、小中学校では新型コロナウイルス対策として、毎日生徒の体温や健康状況を記入した健康シートが集められ、先生方がチェックしている状況だ。健康シートの多くは紙で管理されており、担任は目視で確認し、チェックのハンコを一人ひとり押す。単純な作業だが、毎日の作業となれば負荷もかかる。これを「スプレッドシート」を使えば、簡単にオンライン化できるという。
「インターネット上にあるシートに、生徒は体温を入力します。例えば37℃以上であれば、先生にアラートがかかるなど自由に仕組みを整えられます。また閲覧権限も個別に設定できるので、全体のシートを閲覧できるのは、先生のみといった制限も簡単にかけられます」(貝塚氏)

●マラソン大会の出欠を「フォーム」で作成
行事の参加なども最近は保護者に許可を取ることも多い。例えばマラソン大会や夏のプール授業への出欠だ。こうしたやり取りも現在は書面で行っている学校がほとんどだろう。先生にとっては、プリントを作成して配付、さらに記入してもらった返事をチェックしてまとめるなど、手間がかかる。
こうした意思確認を行う場合は、共同編集が可能なアンケート機能である「フォーム」を利用すれば簡単に作成できるうえ自動集計も可能だ。テンプレートも複数あるので近いものを選べば、タイトルを変え、項目の微調整を行うだけで、ものの数分で完成する。

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