カード再編で新展開、セブン&アイとセゾンが提携
規模追求は終焉か 品質向上の時代に
ただ、セブン&アイ・グループの中に、アイワイ・カード・サービスと新会社が併存する形は、やはり、効率的とはいえない。この点は当然、両者とも認識をしており、「今後、13年3月までをメドに、アイワイ・カード・サービスと新会社の事業統合を検討」している。
クレジットカード業界は、6月の貸金業法の完全施行を前に、キャッシング(融資)利益に深く依存してきた経営の抜本的な見直しを迫られている。逆に言えば、ショッピング利用の促進と顧客支持の獲得という原点回帰が焦眉の急でもある。
そうした中、セブン&アイ・グループが有する巨大かつ多様な消費市場とクレディセゾンが培ってきたカード事業のノウハウを結合するのが、今回の提携のエッセンスだ。セブン&アイ・グループが目指す「金融と小売りの融合」に勢いが増し、1000万人会員カードへの成長も射程圏に入る。が、それだけではない。規模の追求ではなく質の向上を狙った再編がカード業界に波紋を広げることは間違いない。
■セブン&アイ・ホールディングスの業績予想、会社概要はこちら
(浪川攻 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2010年3月27日号)
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