カード再編で新展開、セブン&アイとセゾンが提携

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 一見すると、事業の切り出しによってクレディセゾンの収益が落ちそうだが、「有利子負債を含めた事業コストを削減できるうえ、新たにプロセシング収入が発生する。メリットは少なくない」と、競合のカード会社幹部は指摘する。クラブ・オンカード、ミレニアムカードの会員数は09年9月末で303万人、同年3月期のショッピング取扱高は6820億円に上る。利用率の高さからいえば、数多くある提携カードの中でも最優良カードに属し、新会社は中堅レベルの中でトップクラスのカード会社誕生を意味する。

今回、合弁事業が選択された理由は複数ある。第一に、セブン&アイ・グループが流通系カードの雄、クレディセゾンのビジネスノウハウを評価したことが挙げられる。また、新会社を連結子会社化すれば、セブン&アイ・グループがアイワイ・カードと新会社カードの融合を追求しやすくなる点も大きい。わかりやすい例をいえば、ポイント制度の相互開放構想がそうだ。

今やクレジットカードの品質を決定づける最大の要素がポイント制度であり、各社が差別化を図ろうと日々競争を繰り広げている。

現在、ミレニアムカードとクラブ・オンカードをそごうや西武百貨店で利用すれば、ほかのクレジットカードよりも有利なポイントが提供される。今後は、それらの会員がイトーヨーカ堂などでカード利用した場合、アイワイ・カードと同様の有利なポイントを享受できる。一方、アイワイ・カード会員もそごうや西武百貨店で有利なポイントが得られるようになり、互いのカード品質向上が図られる。

合弁形態をとった理由はほかにもある。仮にミレニアムカードとクラブ・オンカードをアイワイ・カードに全面的に切り替えた場合、既存会員へ新たなカード発行手続きなどの負担を強いることになる。流通小売業として顧客重視を貫く以上、この選択肢がありえなかったことも、今回の背景にある。

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