小6女児が「暴行罪」バレー監督と闘い続ける訳 母親が語る「恐怖の保護者会」と「娘のPTSD」
すぐさま臨時保護者会が開かれ、連盟等にリークした保護者の犯人探しが始まった。「県小連から調査が入るから」と、「口止め誓約書」が配布された。
「悪くすれば、先生が指導できなくなる。裏切りは許せません。このなかに絶対いると思っています」
監督を支えるリーダー的存在の保護者が「一人ひとり、聞かせて」と言い、並んだ20人余りの保護者らは、端から順番に自分がリークしていないと宣言することになった。
「うちの子は楽しく通っています。先生には感謝しています」
「私は何もしていません。クラブには満足しています」
女児の母親は「娘さんがたたかれたこと、だれかに言った?」「あなたでしょ?」と口々に責められた。
「私は(監督に)意見しましたが、何も知りません」と事実を伝えた。
「犯人が出ないので、OGを呼びました」
ドアが開き、OGとその親、30人ほどが現れた。「どうして今更こんな話が出たのか」などと、親たちを責め立てた。名指しこそしなかったが「自分に対するものだと思った」(母親)。
震える手で夫に電話しようとすると「何しよる?携帯、置いて!」とにらまれた。犯人探しの保護者会は、4時間に及んだ。
ついにPTSDと診断された娘
この保護者会の後から、女児は体調を崩した。警察や町教委からのヒアリングを受けるたびに感情が乱れ、泣きじゃくった。心療内科でPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断され、自分が叩かれた日のことや、チームメイトが暴力を受けたことを思い出すと涙を流すという。
「時間が経てば、事件は忘れられていく。でも、私たちは今でも苦しい。娘は(PTSDの)症状が残るし、私も保護者会で自分がつるし上げられている夢をまだみてしまう」と母親。起訴に持ち込んだものの「これからが本当の闘い。町を出て行く覚悟もしている」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら