「年収6割でも週休4日」という生き方 ビル・トッテン著

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「年収6割でも週休4日」という生き方 ビル・トッテン著

コンピュータソフトの販売会社アシストを経営する著者は「小欲知足」をモットーに京都の夏をエアコンなしで乗り切り、庭で作る有機無農薬野菜による「自作自消」に入れ込んでいる。そうしたユニークなライフスタイルの紹介(人糞・馬糞による野菜栽培まで)も面白いが、経営者としての経済・経営観のほうが主題であり、大前提として日本経済はこれから現在のGDPの6割まで縮小していく可能性があるという。

である以上、リストラは一切しないが給料は大幅に減るのを覚悟で、今から社員も自活の準備をしてほしいとする。その会社と社員のやり取りから、経営と労働の本質のようなものが伝わってくる。そして日本的経営が失われたこと、松下幸之助など哲学や倫理観を持った財界人が今の時代に皆無に近いことを惜しみ、市場原理主義、道徳なき経営を厳しく批判する。トービン税、米国債売却、政府紙幣発行など終章の提言も
議論する価値はある。(純)

小学館 1260円

  

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