ヤクルト高津臣吾監督が描く「勝てる組織」とは 積極的な情報共有で考え方や方向性を合わせる

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――高津さんにとっては初めての監督職となります。「ヘッドコーチを育てる」よりも、「ベテランヘッドコーチに支えてもらう」ほうが、監督自身の負担も減るのではないでしょうか?

高津:もちろん、宮出ヘッドにもしっかりと支えてもらっています。でも、彼はまだ若いし、これからもっともっと学ぶこともあるでしょうし、ともに成長していきたいという思いが強いですね。ヘッドコーチには「視野の広さ」を求めたいと思っているので、その点はまだまだ成長の余地はあると思っています。

考え方、方向性が同じでないと組織は機能しない

――コーチ陣の年齢を見ると、杉村コーチが60代で最年長、河田コーチが高津監督より1歳年上で、あとは同世代や年下ばかりです。この点は組閣の際に意識されたのですか?

「コーチたちとは野球以外のことでもお互いの意見を披露したりして、コミュニケーションを密にしています」と語る高津監督(写真:アルファポリス)

高津:年齢に関してはほとんど意識していないですね。むしろ、僕が求めたのは「僕の考えを共有してくれる人」です。ここで言う「僕の考え」とは、僕は選手たちに気分よくプレーしてもらいたいと考えるタイプなんです。だから、コーチたちにもこの考えを共有してもらいたい。考え方、方向性が同じでないと組織は機能しなくなると思いますね。

――コーチたちとの意思疎通、意識の共有で注意していることはありますか?

高津:選手時代はロッカールームやクラブハウスで同じ時間を過ごすことで、選手同士のコミュニケーションを図っていました。今、コーチたちはコーチ室で一緒にいることが多いんです。この部屋ではつねに意見交換をしているし、時にはファーム中継をみんなで見たり、野球以外のことでもお互いの意見を披露したりして、コミュニケーションを密にしています。それはとても大切なことだと思いますね。

――もう1つ、組織作りにおいては「フロントとの協力体制」も重要になってきます。例えば編成面など、現場の要望をフロントに伝えることなどはあるのでしょうか?

高津:この点は、ヤクルトは昔から風通しはいいですね。小川淳司GMは監督経験者ですし、球団社長からも「要望があれば何でも言ってくれ」と言われています。もちろん、要望がかなうかどうかというのは別問題ですけど、「言いたいことが言えない」というストレスはまったくないです。

――例えば、「こういう外国人を獲得してほしい」とか、「ここがウィークポイントなので、こういうタイプの選手を補強してほしい」など、具体的な要望も話しやすい?

高津:そうですね、具体的にはここでは言えないけど(笑)、そういう要望を出すこともありますね。ただ、目先の補強だけではなくて、数年先を見据えた育成について希望をお話しすることも多いですね。

――強い組織には風通しのよさは欠かせないですからね。

高津:絶対にそれがないと難しいと思います。「ユニフォームを着ているから」とか「背広を着ているから」と区切ってしまうことに意味はないと思います。チーム全体で考えるべき問題に、意味のない境界線は絶対にない方がいい。お互いに話をしやすい環境、意見を言いやすい環境は大切だし、その点はいい状態で戦えていると思います。

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アルファポリスビジネス編集部

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