東武、「SL2機体制」で試される日光戦略の勝算 「SL大樹」日光へ、鬼怒川線は来夏から毎日運行

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東武日光駅に入線した蒸気機関車「SL大樹」。通常は下今市―鬼怒川温泉間で運行している(記者撮影)

東武鉄道が運行する蒸気機関車「SL大樹」が8月5日、日光線の東武日光駅にお目見えした。

SL大樹は同社が鬼怒川線の下今市駅から鬼怒川温泉駅までの12.4kmで走らせている観光列車。デビュー3周年を前に日光・鬼怒川エリアのもう一方の玄関口、東武日光駅に初めて乗り入れた。10月に下今市駅から同駅までの営業運転に乗り出す。

東武日光に新たに乗り入れ

東武では7月末、真岡鉄道(栃木県)で活躍していたSLが検修庫のある南栗橋車両管区に到着。今年12月からは同社が運行するSLが2機体制となる。2021年夏以降、鬼怒川線でも平日を含めて毎日運転するなど、SLによる地域の観光振興を一層強化していく方針だ。

SL大樹「ふたら」のヘッドマークもお披露目された(記者撮影)

同社は8月5日、東武日光駅でSL大樹のお披露目と新プロモーションの発表会を開催した。同駅に乗り入れる列車は「SL大樹『ふたら』」と命名。中禅寺湖の北にそびえる男体山の異称で、日光の地名の由来でもある「二荒山(ふたらさん)」にちなんで名付けた。

デビューは10月3日を予定。その後、当面は臨時列車として月1回程度、下今市―東武日光間の7.1kmを17~23分かけて走る。一方、鬼怒川線のSLの列車名称は従来どおりSL大樹とする。

併せて「It’s SLOW time」と銘打った新しい観光プロモーションの開始を発表。女優の門脇麦さんを起用したテレビCMを展開し、ゆっくりとしたSLの旅の魅力を20~30代をターゲットに訴えていく考えだ。

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