ブラジルも仲間入り「コロナ爆発4カ国」共通点 科学を否定し、陰謀論受け入れる指導者たち
もちろん、ポピュリストの指導者と感染爆発の間に100%の相関関係が成立するわけではない。ハンガリーのオルバン首相やフィリピンのドゥテルテ大統領は非自由主義のポピュリストだが、コロナには迅速に対応した。両国の感染者数は一見したところ、比較的低位にとどまっている。オルバン氏もドゥテルテ氏も政敵の弾圧を強めるのにコロナを利用した。
世界的なパターンには例外がつきものだが、それでも「パターンは現に存在する」とレビツキー氏は話す。「ポピュリストは専門家嫌いで、専門家に頼るのを好まない。そして専門的な知見に基づかない対応は、コロナでは命取りとなる」。
国家運営ができていないとコロナも終わらない
ポピュリストの指導者でも、イギリスのジョンソン首相やトルコのエルドアン大統領のように、最近はコロナ問題に真剣に向き合い始めた者もいる。アメリカではトランプ大統領が対応をほぼ毎日のように変更しているが、州知事が多くの決定を下す連邦制のおかげで、悪影響はだいぶ薄められている。
それでもヘイル氏は、ポピュリストが率いる国のほうがコロナに苦戦し続けることになるのではないか、とみる。
「いま経験しているのは第1波にすぎず、収束までの道のりは長い。これは私の強い直感だが、結局は国家運営が本当にしっかりした国こそが(コロナに)最もうまく対応できた、ということになるはずだ」
(執筆:David Leonhardt記者、Lauren Leatherby記者)
(C)2020 The New York Times News Services
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