【産業天気図・工作機械】内需底ばい続く、外需は復調加速でも「土砂降り」不変

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  09年10月~10年3月    10年4月~9月

工作機械業界は2010年9月まで終始「土砂降り」が続きそうだ。デフレ宣言が出た国内で企業の設備投資が盛り上がる気配はなく、頼みの中国経済も上海万博後の10年秋からは不透明感が増すとの指摘も少なくない。

日本工作機械工業会によると、11月の受注額は内外需計で474億円。前月比では0.9%増で、わずかながら3カ月連続プラス。だが、前年同月比では8.4%減で18カ月連続のマイナスとなった。474億円の内訳を見ると、外需が中国の電気・精密向けなどアジア諸国を牽引役に321億円で前年同月比20.0%増と好伸し、実に18カ月ぶりのプラス。前月比でも2.8%増で3カ月連続の増加。しかし、内需は153億円で前年同月比38.8%減、22カ月連続のマイナス。前月比でも2.8%減で2カ月連続の減少。つまり内需の弱さが外需の足を引っ張った形だ。

これまでの受注のトレンドを見ると、08年9月のリーマンショックを機に内外需とも急落し、今年1月に内外需計190億円(前年同期比84.1%減)の底を付けた。以後は内需が底ばいないし微増の半面、外需は反発し、特に7月以降中国を始めとするアジアからの受注増が加速、11月は1月の2.5倍まで回復した。ただ回復したとはいえ、月間500億円割れの状況は、07年~08年前半の活況期に比べると3分の1のレベルという極めて低い水準だ。

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