【産業天気図・自動車】新興国需要で10年4月から「雨」に一段回復も、本格回復は道半ば

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 新興国は元気だ。09年は中国が米国を新車販売台数で抜いた。当初1100万台程度と見られていたが、小型車減税や株式市場の回復、内陸地域でのモータリゼーション開始といった要素がうまくかみ合った結果、1350万台まで伸びそう。おおかたの予想を痛快に裏切った。中国政府は12月中旬、小型車(1・6リットル以下)に対する減税継続を表明。10年に入っては伸び率が鈍化するだろうが、中国の世界一の座はしばらく安泰だろう。また、もう1つの有望市場であるインドも、11月の新車販売が7割近く伸びるなど、力強い回復を見せている。それでも、先進国の落ち込みを補い本格回復をもたらすには至らないのだ。 

完成車メーカーにとって業績の逆風となるのは、市場の変化だけではない。秋以降は、90円を割り込む円急騰に見舞われている。1円円高によってトヨタ自動車<7203>は250億円、日産自動車<7261>は110億円、ホンダ<7267>は120億円それぞれ営業利益を損失するだけに、今後の為替動向によってはせっかくの業績回復の頭を抑えかねない。
 
 そんな中、12月上旬にはスズキ<7269>が独フォルクスワーゲン(VW)と包括提携するという決定がなされた。両社は環境技術や小型車、アジアビジネスなどで広範に協力する計画。自動車危機直後のようなショックが落ち着いた今こそ、各社は生き残りをかけた企業行動に出る時期に来ている。VW・スズキ連合に続く動きがあるか、10年も世界の天気は波乱含みだ。

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