iPadがパソコンに変身「磁石で付くキーボード」 iPad Pro用「Magic Keyboard」最速レビュー

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Magic Keyboardを12.9インチのiPad Proに装着したところ(筆者撮影)

音は基本的にラバードームの「もこもこ」とした音だが、キーボード直下には何もないため、MacBook AirやMacBook ProのMagic Keyboardに比べると、もこもことした音は少し大きく残る。

たたき気味でタイピングしても、キートップのカシャカシャとした音はあまり耳につかないが、一際大きなリターンキーは、MacBookシリーズのそれに比べるとカシャッと大きめの音が出ている。

iPad Proに直接ドッキングできる打鍵感のよいキーボードとしては、最高の環境を手に入れることができる点は間違いないだろう。

トラックパッドの使用感は?

Magic Keyboardにはトラックパッドが内蔵され、iPadOS 13.4で標準サポートとなったマウスを利用できる。こちらも本体とドッキングすれば、ペアリングなどの操作なしにすぐに利用可能になる。

現在のMacBookシリーズでは、年々巨大化するガラス板に感圧センサーを仕込み、感触フィードバックによって、トラックパッドを押し込んでクリックしていると錯覚させる手法を用いている。しかしiPad Pro用Magic Keyboardは、実際にパッドが上下しクリック操作を行う方式が採用されている。どこを押してもカチッと音が鳴り、確実な操作が可能だ。

iPadOSでは、トラックパッドに触れた瞬間グレーの円のポインターが現れ、操作可能になる。ボタンやアイコンにカーソルを近づけると、それ全体にフォーカスがあたり、ずれないよう繊細に操作する必要はない。これは画期的なマウスポインターだ。

またテキスト、表計算やスライド作成など、パソコンで慣れているマウス操作をそのまま再現している点も、PCやMacからiPadへの乗り換えに違和感を感じさせないだろう。ただ、個人的にトラックパッドを活用するか?と言われると、疑問符が飛ぶ。

筆者は2016年からSmart Keyboardを装着した9.7インチiPad Proをモバイルコンピュータとして活用しようとしてきた。そのため、キーボードと画面に直接触るタッチスクリーンで、iPadを操ってきた経験が長い。

そのため、急にiPadOSがマウスに対応し、Magic Keyboardにトラックパッドが搭載されても、やっぱりキーボード操作の次の瞬間、画面に触れて操作してしまうし、トラックパッドまで指が伸びる癖が薄れてしまっていた。

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