NECが"惚れた"蓄電池ベンチャーは何者か

競り負けた後も猛アプローチ、1年越しで傘下に

A123が製造するコンテナ型蓄電システム

1年越しの交渉の末、オバマ政権が掲げたグリーンニューディールの果実の一部が、NECの手に渡った。

NECは3月24日、中国の自動車部品大手、万向(ワンシャン)集団から、2012年に破綻した米バッテリーベンチャー、A123システムズ(以下、A123)の蓄電システム事業を1億ドルで買収すると発表した。6月をメドにNEC傘下の新会社として、再スタートを切る。

今回、買収対象となるのはA123のうち、オフィスビルのバックアップ電源や携帯電話基地局など、法人向け大容量リチウムイオン蓄電システムを販売する事業。電気自動車向けリチウムイオン電池事業、中国や米国にある工場部門は買収対象に入らない。

米国政府も惚れた

A123は、安全性の高いオリビン型リン酸鉄リチウムというユニークな正極材料を用いたリチウムイオン電池を実用化したベンチャー企業。米国政府から将来を期待され、エネルギー省(DOE)から2.5億ドルの補助金も受けた。だが、日米の自動車メーカーを中心に積極的な営業をかけたものの、電気自動車市場が当初の想定ほど拡大しなかったことなどから、事業は軌道に乗らず、2012年10月に経営破綻を余儀なくされた。

破綻直後から、NECはA123の買収に狙いを定めてきた。2012年12月に行われた入札にもジョンソンコントロールズ社と協同で応札したが、万向集団が2.5億ドルで落札した。しかし、競り負けた後もNECは万向集団と事業譲受の交渉を続け、取得に意欲を燃やしてきた。今回は1年越しの交渉が実った形だ。

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