動き出すSL銀河、飛躍への期待と課題 東北復興の起爆剤へ、42年ぶりに復活

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宮沢賢治の代表作『銀河鉄道の夜』を生んだ岩手県。かの地で眠りについていた蒸気機関車(SL)が42年ぶりに復活した。

C58形239号。1940年に製造され、岩手県内で活躍した。1972年に引退した後は、岩手県営運動公園に展示保存されていた。そのC58が4月12日からJR釜石線(花巻―釜石間)で定期運行を行う「SL銀河」として、復活することになったのだ。 

マスコミ向けの試乗会が行われた3月2日、「SL銀河」の運転士は目を輝かせながらこう語った。「子どものころ、運動公園のSLに乗って遊んだ。そのSLがこうして蘇って、それを自分が運転するなんて、すごいです」――。

採算度外視の大型投資

東日本大震災で被災した東北復興の起爆剤として、JR東日本は“3本の矢”を投入した。海岸沿いの景色とともに食事を楽しめる列車「東北エモーション」、子供に大人気の「ポケモンウィズユートレイン」、そしてSL銀河だ。

「移動手段としての鉄道ではなく、乗って楽しめる、乗ること自体が目的となるような列車を目指した」(JR東日本の照井英之・運輸車両部次長)。製作費は、機関車復元に要した費用から保守施設の建設費などを含め、総額20億円。JR九州の豪華観光列車「ななつ星 in 九州」の製造費用が30億円であることを考えると、かなりの規模の大型投資である。

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