東証で大納会、2019年の日経平均は約18%上昇 2020年の相場に期待を抱かせる動きで終了
[東京 30日 ロイター] - 今年最後の取引日となった30日、東京証券取引所では大引け後に毎年恒例となる大納会のイベントが、狂言師の野村萬斎氏をゲストに迎えて行われた。一方、この日の日経平均<.N225>は、前営業日比で181円10銭安の2万3656円62銭で終了。年間で18.19%の上昇率を記録した。
大納会のセレモニーのあいさつで、日本取引所グループ<8697.T>の清田瞭CEOは「米中対立をはじめ、1年間混沌としたが、米国の金融政策が利下げに転換したあたりから、市場の雰囲気が変わった。今年は大発会で日経平均が2万円割れして始まったものの、結局、そこが安値となり、高値近辺で取引を終えることができたので、良い相場だったのではないかと思う」と1年間を振り返った。
また、清田CEOは「今年は株価決済期間の短縮、アローヘッドのリニューアルを実施したのに続き、来年はTOCOM(東京商品取引所)との統合で、課題となっていた総合取引所が実現することになる」と述べた。
取引終了後は、野村萬斎氏による打鐘を行った後、恒例の手締めを行った。
年末にかけ上昇波動
2019年の日経平均は、1月4日の大発会は波乱商状で始まり、この年の安値1万9241円37銭を付けた。年を通して米中関係に振り回される形となったが、対立緩和に向かった12月17日には年初来高値2万4091円12銭を付け、大納会の引け味は悪いながらも、年末にかけて上昇波動を鮮明にし、2020年の相場に期待を抱かせる動きとなっている。
昨年の大納会終値(2万0014円77銭)からきょうの引け値までの上昇率は18.19%で、チャートは2年ぶりの陽線を引いて、今年の取引を終えた。
一方、TOPIX<.TOPX>の年間騰落率は15.21%の上昇。日経平均に比べてTOPIXの上昇が鈍かったことについて、市場では「年の後半に上昇を加速させた主力の輸出関連株に対して、銀行株をはじめ内需大型株の出遅れが目立つ1年となったことが大きいようだ」(SBI証券・シニアマーケットアドバイザーの雨宮京子氏)との指摘もある。
TOPIXの年間高値は12月17日の1747.20、安値は1月4日の1446.48。なお、日経平均、TOPIXとも年間高安は立ち会い時間中のものを記載した。
(水野文也)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら