実は鉄道旅に使える、飛行機の「お得なプラン」 単純往復や出張旅行だけじゃもったいない
次は、パックと鉄道のパスを組み合わせ、6日間で北海道を巡った例だ。
昨年12月初めに、1週間の休暇を得る幸運に恵まれた。ジェフ千葉はJ1昇格プレーオフ出場もかなわず、私にとっての観戦シーズンは終わったので、冬の北海道に向かおうと思った。
このときは各社比較し、3週間前にJAL楽パックを予約。行きは羽田―函館便、帰りを旭川―羽田便として道内を巡ることにした。自由度を残すため、宿は5泊のうち2泊だけ指定した。
その結果、往復の飛行機と旭川のビジネスホテル、摩周にある2食付きの温泉宿込みで3万800円となった。この価格、ホテルや旅館にしわ寄せが行くとも思えず、すると北海道への飛行機代が片道1万円しない計算となるではないか。宿泊地や宿泊数を何パターンも試してみた結果ではあるが、これには驚いた。
道内移動は鉄道のパスで
道内の移動手段は「大人の休日倶楽部パス(北海道)」を使った。これは50歳以上の中高年しか使えないので、一般的にはJR北海道「北海道フリーパス」がよいだろう。2万7430円で7日間有効、特急列車も使える。
特急も使えるが、なるべく普通列車を乗り継ぎ、函館から道央を経て道東、さらには道北まで向かう計画を立てた。
2日目:長万部→東室蘭→【特急】→南千歳→【特急】→新得→釧路→根室
3日目:根室→厚岸→釧路→摩周
4日目:摩周→網走→遠軽→旭川
5日目:旭川→【特急】→幌延→(路線バス)→豊富温泉→豊富→【特急】→稚内
6日目:稚内→名寄→和寒→【特急】→旭川→旭川空港→(JAL)→羽田空港
函館では、翌1月に150年の歴史を閉じる棒二森屋デパートの閉店売りつくしセールが行われており、時代の流れを感じるとともに、街に流れるクリスマスソングが寂しさを際立たせていた。
この日は、予約サイトに載っていない長万部の温泉宿を電話予約した。学生時代、当時のワイド周遊券で道内の夜行列車を主な宿とする節約旅をしたのだが、長万部でこの旅館に泊まる贅沢をした。32年前で1泊2食6000円。宿の雰囲気は当時とまったく変わっておらず、急激に往時の記憶がよみがえってきた。そして宿代が1000円程度しか上がっていない。
「値上げしたいのはやまやまですけど老朽化もあって、消費税と少しぐらいしか上げてないのです」と宿の女将さん。
翌日は、普通列車で通学の高校生にまぎれて東室蘭まで進み、特急で新得へ。駅近くのスーパーで酒類を調達、そこから根室まで各駅停車で移動した。
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