「OKサイン」海外で絶対に出してはならない理由 日本人が知らない「人種差別のシンボル」
夫のリチャード(白人)も同紙に対して、こう語っている。「あれは単にOKを意味するサインではない。多くの人が、あのサインの意味を理解していない」。
動画を見つけた数日後、夫妻はこの問題について、ユニバーサル・オーランド・リゾートに連絡したが、「調査中」と言われた。1カ月後、再びユニバーサル側に連絡すると、「機密扱いだから教えられない」と言いつつ、ギフトカードと無料チケットの送付を申し出た。ユニバーサルが顧問弁護士を通じて返事をしてきたのを受けて、夫妻も弁護士を雇う。ティフィニーは、ほかの家族が同じような目に遭うことがないように「変化をもたらしたい」と語っている。
本誌の取材に対し、ユニバーサル・オーランド・リゾートの広報担当はOKサインをしたスタッフをクビにしたことを認めた。
「この家族が経験したことは、ほかのお客様には決して経験させたくないことです」と広報担当のトム・シュルーダーはコメントした。「とうてい許容できず、申し訳なく思っています。同じことが二度と起こらないよう、対策を講じます」。
「問題のスタッフはもう当社では働いていません。今後もジンガー家と連絡を取り続け、和解のための努力をしていきます」
反差別団体が「ヘイトの象徴」と認定
OKサインの旗色は悪くなるばかりだ。この件のわずか1週間前には、ニュージーランドのクライストチャーチにあるモスクで銃を乱射して51人を殺害した罪に問われたオーストラリア人の被告が、逮捕後の出廷の際に「OK」サインをしてみせている。
9月下旬には、反差別を掲げるユダヤ系団体の名誉毀損防止連盟(ADL)が、このOKサインを「白人至上主義者をはじめとする極右過激主義者が頻繁に使うヘイト(憎悪)の象徴」として、データベースに登録した。ADLはこのジェスチャーについて、「ホワイト・パワー」を意味するシンボルとして使われていると説明している。
ADLのオンライン・データベース「ヘイト・オン・ディスプレイ」には、OKサイン以外にも、人種差別の悪名高いシンボルが数多く登録されている。白人至上主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)のガウン、ナチスの鉤十字などだ。
ADLは2000年以降、司法当局や学校をはじめとする多くの人々が、過激主義の活動に使われるサインを認識できるようにするために、独自のデータベースを作成して発表している。現在、データベースに登録されたシンボルは200近くに達している。
(翻訳:森美歩)
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