エクアドル、なぜほぼ全国民の情報漏れたのか 元ウィキリークスのアサンジ氏も被害に
南米エクアドルで今月16日、全国民(今年の統計1730万人)の数を上回る2000万人以上の情報が流出していたことが明るみになった。その中には約670万人の未成年者や、死亡者も含まれていたという。
大規模な情報流出があったことを明らかにしたのは、イスラエルにあるサイバーセキュリティー企業「vpnメンター」。現地紙EL COMERCIO(9月18日付)によると、同企業が、情報が流出していることを見つけたのは今月6日だったという。その翌日、関係当局「エクアドル情報事件対応センター(CERT)」に報告。それから10日経過してこの流出事件が一般に公にされたわけだ。
エクアドル企業所有のサーバーから流出
vpnメンターの調査によると、流出したのは国民の社会保障番号や連絡先、家族に関する情報など機密度の高い個人情報のほか、国立社会保障銀行(Biess)や、自動車連盟といった組織が持つ情報もあった。エクアドル当局によると、流出した情報に対してアクセスがあった形跡はこれまでのところない。
この情報の流出元としてvpnメンターが挙げているのが、アメリカ・フロリダ州マイアミに所在するサーバー「エラスティクサーチ」だ。所有するのは、2017年創業のエクアドルの「ノバエストラット」という企業。同社は、ビジネス情報を元にロビー活動を通して一般企業や公的企業のコンサルタントサービスを行っている。
ノバエストラットは、エクアドル人のアグスティン・マルティネス氏とウイリアム・ガルセス氏の2人が経営している。前者は2012年から公務員である国家計画開発のプログラマーとして、特に中央政府と自治政府との関連性における情報システムの強化を担当、その後情報分析部門に移った。その後、病院での勤務に就いたが、2015年に再び国家計画開発に戻った。2016年には水部門を担当し技術部長となってから公務員を辞めている。
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