夏こそケチケチ!帰省や旅行に「一筆書き切符」 帰りのルートを変えると単純往復よりお得

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京都から鳥取を往復するときは、特急「スーパーはくと」で往復するのが一般的だろう。乗車券9940円、特急券6800円で合計1万6740円、一家4人なら6万4020円だ(運賃・料金は途中経由する智頭急行線内の往復運賃・特急料金込みで計算している)。これを、

京都→(特急「きのさき」)→豊岡→(特急「はまかぜ」)→鳥取→(特急「スーパーはくと」)→京都

とするとどうだろう(京都―豊岡は、特急料金が上がる150kmのちょうど手前に当たるため、特急「きのさき」を豊岡で降りる形にした)。

この場合、一筆書き乗車券8320円、特急券7420円、合計1万5740円で、1000円ちょうど安くなる。一家4人なら6万140円で、約4000円安くなる。有効期間は4日間だ。

さらに豊岡から普通列車で10km先の城崎温泉に行き、ひとっ風呂浴びてから鳥取に向かうのもいいだろう。

九州の温泉地をお得に巡ろう

帰省や九州旅行の際は、東京から飛行機で福岡へ行く人が多いだろう。そんなあなたに別府を目的地にしつつ、由布院も回れるルートをおすすめしたい。複数の温泉地を巡ることができ、しかも費用はほぼ同じだからだ。

まず比較のために博多から特急「ソニック」(小倉経由)で別府まで往復した場合を挙げると、往復乗車券7340円、特急券3800円、合計1万1140円、一家で4万1600円だ。これを、

博多→(普通列車)→久留米→(特急「ゆふいんの森」)→由布院→(特急「ゆふいんの森」自由席)→大分→(普通列車)→別府→(特急「ソニック」)→博多

というルートにすると、一筆書き乗車券6910円、特急券3970円、合計1万880円で由布院、大分、別府を回ることができる。有効期間は3日間。一家4人なら4万740円となる。

いかがだったであろうか。最近は「金融庁や経産省の試算などによって年金以外に2000万~3000万円の貯蓄がないと老後がヤバいことが明らかとなった今、ケチにならずして、何になると言うのだろうか!?」という考えが頭をよぎる方も多いのではなかろうか。だからこそ、ぜひ今回の内容をご活用いただき、ご一緒に旅とケチの美学を楽しもうではありませんか。

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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