夏こそケチケチ!帰省や旅行に「一筆書き切符」 帰りのルートを変えると単純往復よりお得

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日本海側から太平洋側へ抜ける「一筆書き」は、山形県の日本海沿岸が旅行先という方にもおすすめだ。

例えば東京から山形県の余目まで、上越新幹線「とき」+特急「いなほ」で往復すると、乗車券1万5760円、特急券1万2740円で合計2万8500円。一家4人なら10万7700円だ。これを、

東京→(在来線)→大宮→(上越新幹線「とき」)→新潟→(快速「きらきらうえつ」)→余目→(快速「最上川」*指定席なし)→新庄→(新幹線「つばさ」)→大宮大宮→(在来線)→東京

にすると、東京発大宮行きの一筆書き乗車券1万1990円、帰路の大宮―東京間乗車券550円、特急券1万1280円で合計2万3820円となり、4680円も安い。有効期間は6日間。一家4人なら9万480円となり、約1万7000円、16%もの削減になる。

快速「きらきらうえつ」ではなく、特急「いなほ」を利用する場合は余目の1つ前の停車駅、鶴岡で普通列車に乗り換えると特急券が190円安くなる(乗継割引適用時の料金で試算)。新潟―鶴岡は140.7km、余目は156.0kmで、150kmを境に料金が変わるためだ。とくに「いなほ9号」と臨時「いなほ83号」は鶴岡で普通に接続するので、この2本の利用がおすすめだ。

酒田まで行く場合も、上記の一筆書き乗車券と合わせて、余目―酒田間の往復乗車券を購入すれば今回の方法が使える。

なお、今回の東北3県の例だが、8月10日~12日以外の3連休に出かける場合は「三連休東日本・函館パス」(1万4050円)と特急券の組み合わせのほうが安い。また、山形県西部の例で8月10日~19日を除く土休日に出かける場合は「週末パス」(8730円)と特急券の組み合わせのほうが安い。

富山に行くなら名古屋に寄ろう

東京から富山までは、北陸新幹線で往復すると乗車券1万2960円、特急券1万2900円で合計2万5860円。一家4人なら9万8260円だ。だが、

東京→(北陸新幹線「かがやき」)→富山→(特急「ワイドビューひだ」)→名古屋→(東海道新幹線「のぞみ」)→東京

というルートにすると、一筆書き乗車券1万2640円、特急券1万2820円(「ワイドビューひだ」の特急料金は「のぞみ」とセットにした乗継割引で算出)で、合計2万5460円。有効期間は7日間だ。

1人で行くなら400円、一家4人なら4人でわずか480円だが安くなる。

えー!これっぽっちしか安くならないのかよ!と思った方もいらっしゃるだろう。でも400円安くなって、かつ名古屋にも旅行できるのだ。富山と名古屋、それぞれ別に往復するよりは1人当たり2万円以上安い。家族で富山に帰省するなら、帰りに名古屋に寄って「リニア・鉄道館」や「レゴランド」などを楽しんで帰ってくるのもいいのではないか。

ちなみに在来線特急から新幹線へ乗り継ぐ場合は、翌日の乗り継ぎでも乗継割引が適用になる。この場合で言えば、名古屋で1泊してから帰ってもいいのだ。

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