隣の乗客が犯人?謎解きツアーバスの本気度 ラストに海辺の絶壁で犯行動機が明かされる
犯人とバス車内や食事中に会話をした人もいた。その何気ない会話の中に犯人を示すヒントが隠されていた。犯人の近くにいた人々は「あっ、そういえば、そんなことを言っていたわ」とかなり驚いていた様子。演技の勝利だ。
そしてサスペンス劇場はクライマックスへ。「サスペンス劇場あるある」の「崖の上の告白」「自殺しようとする犯人を刑事が説得」である。ああ、そのための犬吠埼だったか。初めは半笑いで観ていたけれども、迫真の演技でちょっとだけ感動してしまった。悔しい。終劇後、ツアー参加者と刑事と犯人で記念撮影して終了。犬吠埼でフリータイムの後、余韻を反すうしつつ、新宿へ戻った。首都高速から眺める夕景が、このときばかりはドラマのエンドロールの背景に見えた。岩崎宏美の名曲「聖母たちのララバイ」が脳内再生された。
バスツアーにも差別化が必要
前述したように、このツアーはテレビ番組「旅スル」が発信する企画旅行だ。この番組は月曜日から金曜日までの帯番組で、8時から15分間の放送となっている。
旅番組は地上波、衛星放送、ネット放送のどの分野でも人気のコンテンツだ。過日、ラジオを聞いていたら、久米宏氏が「1週間あたり旅番組が150以上もある」と語っていた。これだけ旅番組があれば、当然ながら差別化が必要になる。
そこで旅スルは、クラブツーリズムとコラボレーションして、「紹介されたツアーを実際に販売する」仕組みを作った。視聴者は番組を観て、気に入ったツアーを購入できるという仕掛けだ。旅行会社にとっても、バスツアーの差別化、付加価値化、告知媒体としてテレビとネット配信を活用できる。両者はウィン・ウィンの関係になっているようだ。
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