「しずちゃん」山里亮太の躍進支えた奔放な人柄 女優、ボクサーへの挑戦全てに意味があった
しかし、ここでマーケティングの鬼である山里さんに、計算外のことが起こりました。しずちゃんだけが彼の想定をはるかに上回るペースで売れっ子になっていったのです。しずちゃんはバラエティー番組だけでなく、CMにも多数出演する人気者になりました。2006年には映画『フラガール』で女優デビューを果たし、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しました。
本業のお笑いで思うように結果を出せていなかった山里さんは、しずちゃんの活躍を見て嫉妬にもだえ苦しみ、足を引っ張るようになりました。しずちゃんに『フラガール』の出演依頼があったことをマネジャーから聞かされて、本人に知られる前に断ろうとしていたのは有名な話です。
芸人として生き方が違う2人
南海キャンディーズの漫才では、しずちゃんはその外見からモンスター扱いされているようなところがありました。しかし、世間ではマスコット的なかわいらしさがあると評価されて、人気が出ていました。しずちゃんがかわいいと言われるのは、自分をよく見せようとする計算がないからだと思います。ありのままの姿でたたずんでいるところが、素朴な感じで魅力的に見えるのです。
ただニコニコしているだけで多くの人に愛される。しずちゃんはそういうキャラクターの持ち主だったからこそ、山里さんの嫉妬心を駆り立てることになってしまいました。山里さんは努力の人です。努力をしなければお笑いの世界で生き残っていくことはできない、という信念を持っています。しかし、当時の山里さんの目からは、しずちゃんは努力しないで気楽に生きているように見えていたのです。
もちろん、しずちゃんも努力していないわけではありません。ただ、物事に取り組むためのアプローチの方法が違うのです。しずちゃんは自分の感覚を信じて自由に進んでいきます。一方、山里さんは戦略を立てて努力をすることが大事だと考えています。2人はかみ合わない時期が続き、コンビ仲は最悪の状態になっていました。
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