パワハラが多い会社に「未来はない」単純な理由 「愚痴の多い飲み会」ばかりの会社は黄色信号

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パワハラを解決しようとしない企業に未来はない(写真:msv/PIXTA)
臨床に携わる一方、TVやラジオ番組でのコメンテーターや映画評論、漫画分析など、さまざまな分野で活躍する精神科医・名越康文氏による連載「一生折れないビジネスメンタルのつくり方」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

最近、パワーハラスメント=「パワハラ」がよく話題となっています。今さら説明するまでもないかもしれませんが、パワハラとは一般的には、社会的な地位が強い立場にある人(政治家や社長、上司、大学教授など)が、自らの権力や立場を利用して、地位が低い人に嫌がらせをすることを表す言葉です。

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

これから仕事に就く人や、転職をする人などは、職場で自分がパワハラを受けないかということや、自身が部下に対して知らず知らずのうちに、パワハラをしてしまわないかといったことが、気になるところではないかと思います。

パワハラを解決するには

ただ、実際にパワハラが起きてしまった場合には、その対応は、限られています。可能であれば当事者間で冷静に話し合うこと。それでも解決されなければ、外部の人、場合によっては警察や弁護士が入って解決を図ることがあるかもしれません。あるいは、やむをえず転職して、環境を変える、という方法論もありえます。

いずれにしても、そうした具体的な対処については、ケース・バイ・ケースという側面が強く、あまり一般化すべきではないだろうと思います。

ただ、その一方で、パワハラには、かなり広く共通する「構造」がある、と私は感じています。「パワハラ」という言葉で私たちが想起する、暴言を吐いたり、暴力を振るったり、力関係を使って無茶な仕事を押し付けたりといった行為の背景には、目に見えづらいけれど共通した「構造」がある。

パワハラというのは、ある特定の「土壌」の上に咲く「花」のようなもので、そうした花を咲かせる「土壌=構造」にこそ、注意を向けておくべきだと、私は考えるのです。

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