万引きを6年ほぼ毎日続けた33歳女が陥った病

万引きが原因で離婚、それでもやめられず

その快感を覚えた彼女は以降、店頭で見かける少し高価な商品をこっそりと自らのバッグに入れるようになった。決して買えないわけでも、お金に困っていたわけでもない。ただ買うには少し高い、またあまり余計なお金を使いたくないという思いから、万引きは常習化していった。

初めの頃は食品ばかりを取っていた。慣れてくると、子どものおもちゃや服を盗るようになった。さらには、掃除機や扇風機、布団などの大型の商品も万引きするようになっていったという。

「小さな子どもを乗せることができるショッピングカートを使って万引きするんです。子どもを乗せたまま、下の買い物カゴのようなところに布団などの大型の商品を入れる。それでそのまま店内から駐車場に移動します。お店の人もそんな大きな商品が万引きされるとは思わなかったのか、いつもすんなりといただいていました」

週に2〜3回だった万引きは、いつしか毎日に。というより毎日できなければ気が狂うほどになっていた。 夫が家にいて、自由に買い物に行けない週末は苦痛だった。あるいは夫と買い物に行けば、夫が当たり前のようにお金を出して商品を買うのをもったないと感じるようになっていた。

彼女は「1000円でさえ、お金を払うことができなくなっていました。周囲に見つからないように万引きすればただで手に入るものに、1円も使いたくなかった」と話す。

夫も妻が万引きを繰り返していることにまったく気付いていなかった。家具が新品になっていても、「実家のおばが送ってくれた」などと適当なことを言えば納得していた。 彼女はおよそ6年間、毎日のように万引きを繰り返していた。6年間でお店に見つかったのはわずか3回。いずれも被害届を出されず、捕まることはなかった。

何が“入口”だったのか

なぜ彼女は万引きをするようになったのか。どのようにして万引きへの扉が開かれていったのか。

「元夫と結婚したのは、彼は大企業の正社員だったし、私は専業主婦で暮らせて生活に困らないからという理由だったんです。中身ではなくスペックしか見ていなかった。私は母子家庭で育って生活に苦労したから、とにかく安泰を求めていた。そういう気持ちで結婚してしまったので、夫に対して次第にいろいろな不満を募らせるようになっていきました」

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