意外に危険?「ぶつからない車」の実力度 夜間の対歩行者ブレーキはまだ完全ではない

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その評価結果は別表の通りだ。トヨタ「カローラ スポーツ」とホンダ「N-VAN」が満点の40点を取得した一方、三菱「ekスペースカスタム」、日産「デイズ ルークス」が19.3点となり、評価結果には大きな差がついた。

この試験結果を受けて、11月29日に報道陣を対象とした公開デモンストレーションと体験乗車が行われた。わずかな街灯の明かりのもと、実際の試験を再現して実施されたが、そこである「異変」が起こった。

公開デモは、車両の走行速度が40キロ、歩行者を模擬したダミー人形の歩行速度は5キロで、対向車両の陰から歩行者が横断してきた場合を想定したものだった。走行車両は人形の手前でピタリと止まったものの、その後、報道陣を対象とした体験乗車では、走行速度が時速30キロで、障害物のない見通しの良い道路にもかかわらず、被害軽減ブレーキが十分に作動せず、ダミー人形に衝突してしまうケースがあった。

ホンダで「衝突」が発生

しかも衝突した車両は、評価結果で40点満点をとったホンダ「N-VAN」だった。体験乗車は同一車種で複数回行われ、N-VANがダミー人形にぶつかったのは1回のみだったが、記者の間から驚きの声があがった。

【2018年12月25日15時40分追記】原文ではトヨタ「カローラ スポーツ」が衝突した、としていましたが、ダミー人形は衝突せずに倒れていました。トヨタに関する記述を削除し、訂正します。

では、NASVAの評価試験の点数はどのようにつけられたのか。前述のように、試験は時速30、35、40キロと10キロ刻みで最速60キロまで行われ、見通しが良い道路を歩行者が横断する場合と、対向車両の陰から出てきて横断する場合の2種類で実施。さらに歩行者の速度は5キロと8キロの2パターンに加えて、歩行者の位置が車の前方中央、右寄り、左寄りの3パターンで実施されている。

これらの条件をすべてクリアし、ダミー人形の手前で停止すれば減点なしの40点満点になるというわけだ。ただ試験結果を詳細に見ていくと意外な事実に気がつく。カローラ スポーツの場合、初速60キロでの試験では1回目にダミー人形に衝突していた。被害軽減ブレーキが作動し、衝突時には16.9キロまで減速していたとはいえ、課題をクリアできていなかった。しかし、2、3回目のチャレンジに成功したため、減点なしだった。

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