トップ報酬の2位はブロードコムCEOのホック・タン氏で、報酬額合計は1億321万ドル(116.6億円)。そのほとんど(9832万ドル)が株式のインセンティブとなっている。
マレーシア出身のタン氏は、マレーシアやシンガポール、米国の企業でキャリアを重ね、2006年、アジレント・テクノロジー(A)の半導体部門が分社して誕生したアバゴ・テクノロジー社の社長に就任する。
2016年に業界で格上だった旧ブロードコムを370億ドルで買収し、新ブロードコム(AVGO)を誕生させると、その後もM&Aを重ね企業規模を急拡大させてきた。2017年11月に移動体通信技術分野で世界トップのクアルコム(QCOM)買収を提案するも拒否され、さらにシンガポールに本社を置いているということもあり、安全保障上の理由でトランプ米大統領からも買収の禁止命令が出され、断念に追い込まれている。
株式インセンティブのウエイトが高いことが特徴
3位はファーストデータ(FDC)会長兼CEOのフランク・ビシナーノ氏で、2017年の報酬額合計は1億0221万ドル(115.5億円)。内訳は役員報酬と賞与などが233万ドル、株式インセンティブが9987万ドルと、こちらも後者がほとんどを占めている。
シティグループの部門トップやJPモルガン・チェースの副社長などを歴任したのち、2013年4月にファーストデータのCEOに就任したビシナーノ氏は、ほかに医療保険大手のヒューマナ(HUM)の取締役も兼任している。
こちらの報酬はいわゆる役員報酬と株式インセンティブ合わせて27万ドルとなっている。
ファーストデータ社は、クレジットカードなどの電子決済処理を行う世界的な大手企業で、現在は世界100か国以上の600万以上の事業所、4000以上の金融機関が利用している。2007年にLBOで株式を投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却し非公開会社となったが、15年に再上場している。
なお、ここに登場するKKR。上場企業だが『米国会社四季報』には掲載していないため本ランキングの対象には含まれないが、同社の共同創業者で共同CEOのヘンリー・R・クラビス氏とジョージ・R・ロバーツ氏の17年の報酬額合計はともに1億1343万ドルで、ランキング対象なら2位に位置する。
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