『転職活動で一向に内定が貰えません…』(32歳・男性) 城繁幸の非エリートキャリア相談
処方箋:『必要とされるのはプロフェッショナル』
『七人の侍』という映画があります。世界の黒澤こと、黒澤明監督の代表作ですね。
映画の序盤に、街で行き交う浪人たちをスカウトするシーンがあります。浪人たちは皆、剣や飛び道具、兵法など、何か一芸に秀でた曲者揃い。あくは強そうですが、ここ一番で頼りになりそうな連中ばかりです。もしその時、「拙者は槍も剣も鉄砲も人並にはやれますよ」という人がいたらどうでしょう。少なくとも予算に上限がある場合、積極的にはスカウトされないはずです。どんなに多芸でも、体は一つしかないのですから。キャリア採用も同じことですね。
まずは、貴殿がどういうキャリアを構築したいのかをよく整理し、その上で希望する業務やプロジェクトについて、率直に語ってみてください。おそらく、これまでの面接では、新卒採用の時と同じ感覚で、自己の幅広さを中心にピーアールされていたはずです。その部分をチェックし、それに応じて職務履歴の書き方も工夫することで、問題は解決されるでしょう。
転職においては、あくまで企業も個人も対等だと考えて面接に臨んでください。それがプロフェッショナルへの第一歩です。
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