『転職活動で一向に内定が貰えません…』(32歳・男性) 城繁幸の非エリートキャリア相談
<城繁幸氏の診断>
診断:『器用貧乏な人は落とされる』
新卒採用とキャリア採用の違いとはなんでしょうか?
「年齢が違う」と書くと、「ふざけてんのか」と言われそうですが、これはあながち的外れでもないんですね。まだ若くキャリアの無い新卒(及び第二新卒)は、主にポテンシャル面で評価されますが、一定のキャリアを持つ中途採用応募者は、こなしてきたキャリアを中心に評価されるわけです。
これを面接する側から具体的に見ていきましょう。まずは新卒の場合。
「あなたはどういう学生生活を送ってきましたか?」
「どういう夢がありますか?」
この手の質問は、相手がどういった能力を持ちえるかを推し量るための取っ掛かりみたいなものですね。当然、学生もあの手この手のエピソードや魅力的な活動をベースに、面接官の心に引っかかるような話を展開するわけです。当然、話の範囲はとても幅広いものとなります。
一方、これがキャリア採用の場合。
「あなたの職歴を教えてください」
「これまで担当したプロジェクトでの成果は?」
なんて具合に、新卒と比べると実に具体的かつ狭い話に終始するはずです。求めるものが具体的なので、これは当然でしょう。
近年は新卒採用においても、職種別採用等、かなり絞り込んだ採用が行われるようになってはいますが、それでも依然として、両者の選考スタイルには彼我の差があるのが現実です。
一般的に、優秀なのになかなか転職に成功しない人には、このスタンスの違いに上手く対応できていない人が多いですね。具体的に言うと、面接で常に「あれもできます、これなんかもやれそうです」と、キャリアの幅広さばかりをアピールする傾向があるのです。
採る方としては、そういう人の面接をすると「結局、この人は何がやりたいんだろう」と不安になるものです。