携帯型電池で法人市場を攻める「Omni」の正体 学校市場で成功した「意外なアイデア」とは?
Omni Power Station10台版の価格は日本では40万5800円(税別)、ロック/アンロックソリューションを含む、バッテリー管理用クラウド型サービスは年間13万2800円(税別)であり、ペンシルバニア州立大学と同規模の導入でも、イニシャルコストを含めた初年度の費用は150万円未満で、柔軟性の高い電源環境を提供可能ということになる。キャンパス全体のACコンセントやUSB電源出力を整備するコストを考えれば圧倒的に安価で済む。
当然ながら、同様の利点はオフィスなどでもある。米国では企業や政府機関、あるいは医療施設などで評価、導入が進んでいるが、シネックスインフォテックが日本での代理店権獲得をアナウンスすると、企業あるいは官公庁からの問い合わせが続いているという。
「東京では2020年を目指して建築されている施設も多く、その後に大規模なオフィスの引っ越しブームがあると言われている。われわれはそこに向けて、電気配線の大規模なリノベーションを加えず、低コストで働き方に柔軟性を与える解決策を提案していきたい」とウォン氏の鼻息は荒い。
スタバでも導入が進められている
そして、今後、大きく伸びそうなジャンルとして挙げられるのがサービス業の領域だろう。電源をメニュー内に明記し、バッテリーの貸し出しを事業機会、あるいは顧客サービス向上の一環として取り入れる例について言及したが、実際、いくつかの飲食業での導入が進められている。その中にはスターバックスコーヒーの名前もある。
日本ではPSE取得後の7月下旬から出荷される予定だが、15~20坪程度のカフェ、レストランの場合、各テーブル向けに電源を供給しようとすると、工事費だけで150万円ぐらいのコストがかかる。しかし、同規模のカフェであれば5台のOmni 20があれば十分であるため、23万1800円のイニシャルコストで済むことになる。
利用者サイドから見ると、無料での貸し出しが便利なのはもちろんだが、たとえ有料であったとしても、手元にAC電源とUSB電源、それにQiによるワイヤレス充電が届けられるのであれば、電源コンセントのある席をわざわざ探す必要がないだけでなく、ケーブルを持ち合わせていない場合でもスマートフォンの充電ができるなどの利点がある。
北米では高級ホテル向けのホスピタリティサービスとして、この製品を導入する動きもある。パソコンやスマートフォン、タブレットなどは、仕事だけでなく、日常生活に欠かせないものとなってきた。いずれも電源がなければ役立たないだけに、ホスピタリティ業界全体で、こうしたジャンルのシステム提案が、今後は増えてくるだろう。
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