世界が絶賛、「ハローキティ新幹線」の衝撃度 白地にピンク「まるで旅客機」完成への舞台裏

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
JR西日本のエヴァンゲリオン新幹線「500 TYPE EVA」(撮影:尾形文繁)

一方で、エヴァ新幹線はサプライズだった。アニメシリーズの原作・総監督を務め、鉄道模型コレクターでもある庵野秀明氏が監修し、メカニックデザインを手掛けた山下いくと氏が列車のデザインを担当。完成した列車は500系の特徴をリスペクトしたうえで、エヴァの世界観とも調和しており、エヴァと500系、両方のファンから絶大な支持を集めた。

「エヴァの次をどうしようか」。JR西日本の社内でエヴァ新幹線に代わる次のコラボの相手探しが始まった。JR西日本営業本部の財剛啓担当部長はその時期について「今から1年半くらい前でしょうか」と振り返る。つまり、2016年末から2017年初めにかけて議論が始まったことになる。

8府県のPRも担う大プロジェクトに

いくつか出た候補の中から選ばれたのがハローキティだった。「性別問わず幅広い年代のお客様に支持され、海外でも人気」(財部長)というのが理由だ。

上から見たハローキティ新幹線。ピンクの車体は遠くからでも目を引く(撮影:尾形文繁)

ハローキティと新幹線という異色の組み合わせに、社内では反対する声も一部上がったが、「いいんじゃない」と賛成する声が大半を占めた。サンリオとはこれまでも、JR西日本のキャラクター「イコちゃん」とハローキティのコラボ商品開発などの実績がある。

今回のプロジェクトは単に新幹線の車両を使ったコラボだけではなく、山陽新幹線が走行するエリアを中心に8府県をハローキティで盛り上げるという大掛かりなものだ。サンリオ側もスケールの大きさに「光栄です」(同社広報)と、まったく異論はなかった。

コラボ車両のデザインは、サンリオ側が「鉄道デザインに詳しくない」(同社広報)こともあり、JR西日本と共同で実施。エヴァ新幹線が運行を終えた今年5月末から、ハローキティ新幹線への改造作業が始まった。およそ1カ月にわたり外観の塗装や1~2号車の内装の改造が行われ、6月25日に福岡県内にあるJR西日本博多総合車両所でその姿が報道公開された。

次ページ南海「ラピート」にも白とピンクがあった
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事