世界が絶賛、「ハローキティ新幹線」の衝撃度 白地にピンク「まるで旅客機」完成への舞台裏

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1号車の「HELLO! PLAZA」では西日本の各地域を期間限定で紹介し、物販も行う(撮影:尾形文繁)

車内はどうか。1~2号車の車内はハローキティでいっぱいだ。1号車はハローキティの限定グッズや地域の特産品が購入できる「HELLO! PLAZA」として使われる。2号車はハローキティ仕様の客室。窓のブラインドやヘッドレストのカバーにハローキティのイラストが描かれ、ハローキティと一緒に記念撮影ができるフォトスポットもある。

2号車は「KAWAII! ROOM」として、ハローキティのデザインが施されている(撮影:尾形文繁)

ほかにもハローキティのイラストが車両のあちこちに隠れている。ユニークなのは和式トイレ。ドアを開けるとハローキティのお友達キャラ「ジュディ」のイラストが張られている。一方で洋式トイレにイラストは張られていない。「和式トイレを使ってもらいたいからか」と、JR西日本の担当者に尋ねたところ、予想外の答えが返ってきた。

和式トイレにはハローキティの友達キャラクター「ジュディ」が描かれている(撮影:尾形文繁)

「使ってもらうというよりも、ドアを開けて楽しんでもらいたいからです」。JR西日本によると、欧米を中心とした外国の人々にとって和式トイレは珍しい存在だ。そのため用を足さずに、ドアを開けて中をのぞく外国人の乗客が少なくないという。ハローキティ新幹線の和式トイレでジュディが出迎えたら、海外のキティ愛好家は大喜びだろう。

海外メディアが大興奮

海外でもハローキティは絶大な人気を誇る。報道公開の模様を、仏女性ファッション誌『エル』のウェブサイトが「これだけはいつか乗りたい」と写真付きで紹介したほか、英の公共放送であるBBCも男性ニュースキャスターが興奮ぎみに報じた。

コラボ新幹線のベースとなったオリジナルの「500系」。かつては東海道新幹線にも乗り入れていた(撮影:吉野純治)

初登場から20年余りを経た500系のデザインはまったく古びることがない。流線形のスタイルは、仏TGVや独ICE3といった海外の高速鉄道車両と比較しても抜群に格好いい。JR西日本はオリジナルの500系をもっとアピールしてもよいのではないかと思う。

それはさておき、ハローキティが持つ世界への圧倒的な情報発信力を使わない手はない。ハローキティ新幹線の登場で、世界中の人に新幹線のよさが伝わり、「新幹線に乗りたい」と思ってもらえるなら、海外高速鉄道の受注競争においても望外の援軍になるかもしれない。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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