揺れるスルガ銀、総会で噴出した株主の不満 最高値から3分の1、下げ止まらない株価
スルガ銀行は総会直前の6月26日、社長直轄の「シェアハウス等顧客対応室」の新設を公表した。貸し出し金利の引き下げ、元金の相当期間の据え置きなど従来からの契約条件の見直しに加えて、シェアハウスの入居率アップのため、野村不動産などから助言、支援を受けることも協議しているという。総会の場で岡野会長は「最も大事と考えていることは債務者の方々の生活の基盤を守ること」と対応室を新設した趣旨を説明した。
「動議」の声が相次ぐ中で終了
だが、弁護団らは「そもそも書類偽造など犯罪行為がなければ成り立たない契約であり、公序良俗違反だ」と反論し、契約の白紙撤回、物件による代物弁済を訴えた。5月22日には、弁護団が有印私文書変造罪、偽造私文書等行使で担当の行員らを警視庁に告発している。
総会の議案は取締役と監査役の選任のみだった。会社が提案した取締役候補11名全員が選任され、うち社内取締役は7名全員が再任された。
総会は約3時間に及んだ。最後も「動議!」「動議が出ているぞ」との声が相次ぐ中での閉会となった。途中には退場を命じられた株主もいたようだ。ある株主は「議場の中にも行員かと思われるスタッフが多い印象を受けた」と語った。
現行の経営体制の継続は認められたものの、株式市場における評価は極めて厳しい。この問題が大きく取り上げられていなかった年初には2500円台の高値にあった株価は、総会直前には1000円をも割り込んだ。最高値からは3分の1の水準にとどまる。
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