新作ガンダムの「作画」が圧倒的に凄い理由 スタッフが明かした「安彦画」再現の全舞台裏

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谷口理氏、プロデューサーを務める(撮影:尾形文繁)

ことぶき:アニメ全般にいえるんだと思いますけど、美形は動かしにくいですよね。美形じゃないキャラクターはある程度誇張して描いてもイキイキするので。

安彦:ギレンなんてどうですか。なんか演説も大変だし、「ワンパターンになってもな」というのがあって。いつもギレンのカットに来ると、「なんか大変だな、こいつ」と思って。

西村:眉毛がないので。目じりで全部やらなきゃいけないというのが難しい。かっこいいキャラではあるんですけど。また、ザビ家は服が大変で。動画がかわいそうだなっていう感じ。

ことぶき:線も多いし、階級によって形も変わるので、そのチェックが大変でしたね。

谷口:全部違う。襟と袖と胸と肩があるんですよ。全部階級章が違って。

安彦:いやらしいね。今はそういうところ、結構チェックがきつい。本当はいい加減なほうがいいんだけどな。たとえば金モールのタッチが3つあったら、3つではなく4つになったり2つになったりしてもいいんだよ。でも、そういうアバウトっていうのが難しい。俺が「いい加減でいいんじゃない?」と言ったら、西村さんが「いや、いい加減にいくためには1回クリアして、それからいい加減にするやり方を教えなきゃいけない」って。そういういい加減さってやっぱりできないんだろうかね?

西村:作品にもよりますけどね。『THE ORIGIN』の絵柄ではたぶんできないと思いますよ。(一同笑)

特に観てもらいたいシーンは?

――今回の第6話で、特に観てもらいたいシーンを、お一人ずつ挙げていただけますか。

安彦良和氏、漫画原作、総監督、キャラクターデザインを務める(撮影:尾形文繁)

ことぶき:個人的にカイ・シデンに思い入れがあるので、アムロとカイの会話のシーンの、カイの仕草とかはすごくいい感じに仕上がっていて、そこが一押しです。

鈴木:冒頭の開戦のシーンです。いちばん今までで苦労したし、時間もなかったので。よくあそこまでもっていけたなと思っています。ぜひそれを観てほしいです。

安彦:えっとね、最後のほうでレギュラーキャラのシーンに字幕を出すんですが、それを読んで、「あっ、これは『ガンダム』の本編の前段だったんだ」ということを感じてほしいです。

西村:レビルが話の流れを動かすキャラなので、表情は「どんなことを考えているのかな?」というのを考えて描いたつもりです。あと、やっぱり最後にホワイトベースのクルーの名前が出てくる、なんとなく高揚感があるところがいいかなと思いますね。

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