キッズユーチューバー、ゲーセンを動かす? イオンファンタジー、利益6割増の理由

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このような販促戦略に加えて、EXILE TRIBEが出演する映画『HiGH&LOW』とのタイアップや、イオングループのミニストップとコラボした「ソフトクリームスクイーズ」など、ほかの遊戯施設では手に入らないクレーンゲームのオリジナル景品を投入。映画のファン層など従来顧客以外の集客につながり、国内売上高の4割超を占め、収益柱のクレーンゲームの稼働が前期比2ケタ増の勢いで伸びている。

2021年までには海外の店舗が大半に

利益の9割以上は国内が占めるが、見逃せないのが2008年から始まり、近年急速に加速している海外での出店攻勢だ。国内の459店に対し、すでに中国では200店、マレーシアでは85店など、389店を展開するまでに拡大。

数年前から出店を加速してきた中国やマレーシアの店舗の収益化が本格化してきていることに加え、2017年末にはFCで展開してきたベトナムの9店舗を直営化するなど、出店地域拡大にも力を入れている。

本決算と同時に公表した中期経営計画では、2021年2月期の目標を売上高888億円、営業利益80億円に設定。海外の店舗網を730店までに拡大させる計画をブチ上げた。

片岡尚社長は、機関投資家向けの説明会で「これから3年間の利益の伸びのエンジンはアジアになる。海外の商業施設のデベロッパーからテナントとして入ってほしいと声がかかるようになり、出店条件も良くなってきている」と語った。

国内でも、「ナショナルジオグラフィック」や「セサミストリート」と連携するなど、クレーンゲームのオリジナル景品を引き続き拡充していく方針。また、ネットクレーンゲームや健康麻雀店、温浴施設の運営に進出するなど、新規事業育成も同時に進める。

誰もが一度は遊んだことのあるクレーンゲームを軸にしたイオンファンタジーの業績躍進。海外展開や新事業でも同様の成功を収めることが、同社の掲げる「アジアNo.1の屋内型ファミリーエンターテイメント企業」実現のカギとなる。

島 大輔 『会社四季報プロ500』編集長

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しま だいすけ / Daisuke Shima

慶応義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程修了。総合電機メーカー、生活実用系出版社に勤務後、2006年に東洋経済新報社に入社。書籍編集部、『週刊東洋経済』編集部、会社四季報オンライン編集部を経て2017年10月から『会社四季報』編集部に所属。2021年4月より『会社四季報プロ500』編集長。

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