次期選挙で政権交代?民進「空回り」の舞台裏 文字どおりの絵に描いた餅…

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森友問題で支持率を下げる安倍政権だが、現実的な「政権交代」の受け皿があるわけではない(写真:REUTERS/Issei Kato)

「全会一致で賛成だ」

3月30日午後6時から始まった民進党両院議員総会。開始から1時間40分を経た午後7時40分に党本部5階の会場から出てきた民進党の議員たちは、口ぐちにそう述べた。だがその言葉とは裏腹に、彼らの表情はいまいちすっきりしていなかった。

「次期総選挙での政権交代」を目標

この日にとりあえず了承されたのは、大塚耕平代表が29日に提示し、役員会や常任幹事会でかけられた「民主主義と国民生活を守るために」だ。その内容は、①「中道的な新しい党」「新しい民主党」である新党を結党することを目的とし、②志を共有する同志に結集を呼びかけるもの。「次期総選挙での政権交代」をも目指している。

これを受けて大塚代表は週明けから、立憲民主党の枝野幸男代表と希望の党の玉木雄一郎代表に合流を呼びかける予定だという。だが枝野代表は30日午前の会見で「合従連衡するつもりはない」と述べ、これに応じる気配はない。というのも、民進党と合流しなくても、立憲民主党だけで2桁の支持率を得ている。しかし民進党の支持率は立憲民主党の10分の1程度で、合流するメリットは立憲民主党側にはないからだ。

一方で民進党との合流に意欲的な希望の党は30日に臨時の役員会を開き、合流に反対している松沢成文参議院議員らの切り離しに向けて進めることを決定した。「希望の党」という党名は松沢氏らが受け継ぎ、その他のメンバーは順次に民進党へ移動する予定。立憲民主党との連携を主張してきた大串博志衆議院議員らは、遅れて参加する見込みだという。

いったい何が起きているのだろうか。

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