トヨタ「アル・ヴェル」が苦手な人たちの心理 高級ミニバンの持つ威圧とそれへの妬み

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元々押し出しの強い迫力のあるフロントマスクを持っていた同車ではあるが、2017年12月に行われたマイナーチェンジでさらにメッキを多用したデザインに変更されている。ここでネット上の熱狂的クルマ好きからは「トヨタのデザインは死んだ」「デザイナーはなにを考えているんだ」と辛辣な意見が散見されるようになっている。

否定的な意見が出ているが売り上げは好調だ

しかし、この意見に反して2018年1月の販売台数は両車合わせて6095台を記録。販売台数ランキングではアルファードとヴェルファイアは別でカウントされているが、合算すれば9位にランクインする数字で、トヨタのロングセラーである「カローラ」や2017年のSUV(スポーツ多目的車)トップの「C-HR」をも上回る台数なのである。

熱狂的なクルマ好きからは否定的な意見が出ているものの、数値で見てみれば明らかに販売は好調。しかも、売れ筋グレードは総額で500万円を超える車両であることから、やむを得ず購入している層がそれほどいるとも思えない。つまり、ハッキリ言って売れまくっている車種といえる。

ただ、アル・ヴェルに対してなぜか苦手に思っている他車ユーザーはきっと少なくないはずだ。筆者は3つの理由があると思っている。

まず、これは実体験でもあるのだが、熱狂的なクルマ好きになればなるほど人と同じであることを避けるようになり、オンリーワンを求め出してしまう。そして、一般的な売れ筋車種を否定し始めてしまうのだ。「あんなみんなが乗ってるクルマに乗ってなにが楽しいのか」というふうに。

そして徐々にその気持ちは人気車種へのアンチへと変貌していく。昔から強いものへの対抗意識としてアンチ巨人やアンチトヨタ、アンチフェラーリ(F1での)という感情が芽生えるのは多々あることではあるのだが、それが誰でも気軽に発言できるSNSが発達したことでより顕著にみられるようになってきた、というのが本当のところだろう。

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