地下鉄定期付き「アディダス」シューズの衝撃 1年間有効だが、履いて乗らないと無効に

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欧州では、鉄道グッズのひとつのトレンドとして、今回のコラボ企画のように、鉄道車両のシートの柄と同じデザインを使った商品がけっこうな人気を博している。アディダスのライバルに当たるナイキもすでに同じような仕掛けで、ロンドン地下鉄の各種デザインを靴に刷り込んだことがある。しかしさすがに切符を付けるところまではやらなかった。

さて、「靴に定期券」というアイデアだが、はたして日本でも応用できないものだろうか。近年、多くの鉄道会社は、記念品になるような一日乗車券を発売している。最近、筆者が見かけたものとしては、伊豆箱根鉄道駿豆線の乗り放題乗車券がその例だ。「硬券素材で三嶋大社の授与品『三嶋駒』をイメージして製作」したとある。当然、記念に持って帰れるようになっている。

地元の素材で作ったバッグやスカーフは?

ベルリンの例を応用するとしたら、たとえば地元の素材で作られたバッグなり、スカーフなりに券面部分を刷り込み、それを乗り放題チケットとして使ってもらうというアイデアが考えられる。

コラボ靴を掲げる、BVGのニクッタ会長(Photo by BVG/Oliver Lang)

目立つデザインなら、一目で観光客とわかるし、それを持って歩く人には「沿線でのショッピングで割引」といった仕掛けも考えられる。

今回のコラボについて、BVG会長のシグリット・ニクッタさんは「どう、これ、格好良いでしょう?」と胸を張る。「(靴がこれほどまでに話題となったのは)われわれ交通局にとっても素敵なこと。このデザインが街の象徴のひとつになったように思う」と喜びを隠さない。

はたして、ベルリンの例に負けないようなユニークな「チケット&商品」のコラボが日本で生まれるだろうか。

さかい もとみ 在英ジャーナリスト

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Motomi Sakai

旅行会社勤務ののち、15年間にわたる香港在住中にライター兼編集者に転向。2008年から経済・企業情報の配信サービスを行うNNAロンドンを拠点に勤務。2014年秋にフリージャーナリストに。旅に欠かせない公共交通に関するテーマや、訪日外国人観光に関するトピックに注目する一方、英国で開催された五輪やラグビーW杯での経験を生かし、日本に向けた提言等を発信している。著書に『中国人観光客 おもてなしの鉄則』(アスク出版)など。問い合わせ先は、jiujing@nifty.com

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