株式市場、10月中旬までは波乱含みに 米国の財政問題懸念が急浮上
9月30日の日経平均株価は、米国政府の一部機関が閉鎖される懸念から、304円27銭の大幅安となる1万4455円80銭で引けた。
米国では野党の共和党が多数を占める下院で、オバマ政権の進める医療保険制度改革を1年遅らせることを条件に暫定予算を認める案を可決。しかし、オバマ大統領は共和党との交渉を拒否する姿勢を見せており、このままだと予算不成立となって10月1日から一部の政府機関の閉鎖に追い込まれる可能性が出てきた。
今後の見通しについて、大和証券チーフストラテジストの成瀬順也氏は「一部の政府機関が数日間閉鎖される可能性は高い。しかし、民主党、共和党とも米国を混乱させたという責任を負わされたくないため、双方が妥協して早期に解決に向かうだろう」と見ている。数日間の閉鎖で済めば、米国経済に与えるダメージも軽微となる。
ただ暫定予算が成立したとしても、今度は10月半ばにも米国政府債務が上限の16兆7000億ドルに達する見通しだ。ここでも共和党は債務上限の引き上げに反対している。しかし、「最終的には両党合意により、米国債のデフォルト(債務不履行)という、深刻な事態は回避されるだろう」と成瀬氏は言う。
となれば、この米国財政に絡む一連の問題はさほど深刻に考えてなくてもよさそうだ。ただ、政争で議会が紛糾すると、株価の急落によって早期解決を促す「催促相場」の展開になる可能性もある。
いったん大幅下落したとしても、危機が回避されれば株価も戻る可能性はあるが、10月中旬までは短期的な急落に注意する必要があるだろう。
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