(第1回)なぜ、御社の新規事業はうまくいかないのか?
新規事業の成功者でなければ新規事業の立ち上げが難しいのは、新規事業の特徴のためです。
新規事業というのは、ゼロから10をつくるとか、10売り上げている事業が急にゼロになったりとか、不連続の上にあるということが大きな特徴の一つです。
「失敗して当然で、今まで自分達が経験もしたことがないルールを持ち込まないと勝負にならない」というのが新規事業の立ち上げなのです。同じ事業運営とはいえ、既存事業に必要なスキルやマインドセットとは全く別のものが要求されます。
非常に精緻なプランニングをしてお金も人も投入したとしても、後は粛々と実行していくだけではだめで、随時、現状にあわせて軌道修正していく必要があるのが新規事業の標準なのです。そういった認識がないと、その新規事業立ち上げは現実離れしたものになってしまうことでしょう。
ここまで、新規事業立ち上げの難しさについて説明してきました。それでは、新規事業を成功させる万能の方程式はあるのでしょうか? 残念ながら、そのような魔法の方程式は存在しません。目的も、リソースも、環境も、それぞれ異なるのですから、本来は個別に戦略が必要です。
ですが、これまで様々な新規事業を見てきて、失敗しやすい「罠」ともいうべきパターンや、成功率を向上させるためにどうしても押さえておくべきポイントなどがあるということは言えます。事前にそれを知っておけば、対処しやすくなることでしょう。
本コラムでは、上記のようなポイントを中心に、どうすれば新規事業を立ち上げられるのか、ということのエッセンスをご紹介していきます。
前述したように、新規事業はその経験を積み、ルールを理解することによって立ち上げの精度をあげていくことが可能なのです。あなたが近い将来に成功体験を得て、あなたの会社のビジネスにきっとよい成果をもたらすであろうことを信じています。
~「プロ」が教える成功法則~
坂本 桂一 著
場当たりが先行しがちで前に進まない新規事業。失敗率は9割以上とも言われる。成功のために何をすべきなのか。200社以上の事業に生命を吹き込んだ「プロ」のノウハウを大公開。
(株)フロイデ会長。事業開発プロフェッショナル。山形大学客員教授。
専門は新規事業創出、ビジネスモデル構築、M&A。1957年京都市生まれ。
東京大学入学後、在学中にソフト制作会社�サムシンググッドを設立する。以後も(株)ソフトウィング、アルファシステム(株)、アドビシステムズ(株)(当時社名アルダス(株))、(株)ウェブマネーなどを設立し代表、会長に就任。うち数社を年商数百億ビジネスに育て上げる(以上すべて現在は退任)。日本のITビジネスの黎明期より、その牽引役として活躍。ソニーSMC70、シャープX68000、WINDOWS3.0J、プレイステーション等の開発にのスタンダードとして成功を収める。
現在、これまでの実業家経験を生かし、ハンズオン型のコンサルティング活動を行っている。
著書に、『頭のいい人が儲からない理由』(講談社、2007年)、『新規事業がうまくいかない理由』(東洋経済新報社、2008年)がある。
(株)フロイデ http://www.freude.bz/
新規事業開発から既存事業の成長戦略立案まで、総合的、創造的なコンサルティングを実施。特色は「事業立ち上げ経験者」を中心としたビジネスパートナーネットワークによる新規事業立ち上げ、経営改善のハンズオン型サポート。特に成熟ビジネスにおける「新しい付加価値」創造において、多くの実績を保有する。
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