3Dプリンターへの大きすぎる期待と現実 製造業以外に大きな潜在市場
[東京 20日 ロイター] - 立体物を容易に成形できる3Dプリンターが市場で話題となっている。新たな産業革命をもたらすとの期待が高まっているが、業界関係者からは過熱しすぎとの声も多い。遅い成形時間、狭い用途など現時点では大量生産に使うには課題が多いためだ。
ただ、製造業以外にこそ大きなマーケットが潜んでいるとの指摘もある。世界的な開発競争に負けないためにも人材育成が欠かせない。
関連企業の株価は2倍、3倍に
「ジー、ジー、ジー」──8月2日から3Dプリンターの販売を開始したヤマダ電機<9831.T>のフロアで米国の3Dシステムズ
株式市場でも関連銘柄が人気化している。日経平均<.N225>は5月後半から急落したが、群栄化学工業<4229.T>は5月28日の終値228円から7月11日に一時710円と3倍以上、上昇し逆行高となった。同社は鋳造用3Dプリンターの開発で経済産業省から委託を受けた企業の一つとして、期待を集めている。
海外製3Dプリンターを販売するMUTOHホールディングス<7999.T>の株価は5月下旬から8月高値まで約2倍に上昇。3Dスキャナーを展開するパルステック工業<6894.T>も同4倍と大幅高を演じている。「直近ではやや下火だが、関連銘柄は高値圏を維持している。成長戦略の一環でもある3Dプリンターは折に触れ物色されやすい」(東洋証券ストラテジストの檜和田浩昭氏)という。